力量をはかる目安は、組織の純増数

マネジメント力を端的に表すのは、担当部署やチームの人数、それも「純増数」です。「1万人の組織を引き継いだ」という人よりも、「50人の組織を200人に伸長させた」という人のほうが、課題解決のプロセスを持っている可能性が高いでしょう。

プロ部長には、どこかで自分の組織をスケールアップさせた経験を持つ人が非常に多いです。単純に大人数を見ていたというだけでは、その人の実力ははかれません。課題を見つけ、改善の機会を作り、組織を大きくした人。メンバーを純増させている、伸ばしている、というのは分かりやすい指標のひとつです。

また、プロ部長として活躍するには、自分の専門性やテーマを最低限1つは持っていることも必要です。「人事部長をやり、広報部長をやり、その後、営業部長もやりました」。これだけでは、果たして他社でも通用するかどうかはわかりませんね。

一方で、「人事においては自分で制度設計を組み、50人から500人まで組織を成長させた」という経験が語られたらどうでしょう。そこには自分の専門性、テーマがきちんと盛り込まれています。自分がどういう問題解決ができるのか、それをきちんと言語化できる力はプロ部長に必須の能力です。

プロ化は、女性のキャリアを飛躍させる

現在、マネジメントのキャリアに乗っている女性にとっては、今後、プロ部長のような働き方も身近になってくると思います。

なにしろ日本の企業では、経営陣に入る女性が圧倒的に足りていません。社内で上がっていく以外にも、自分の特技を活かして、プロフェッショナルとして外部から参画する道が広がってきます。

そのためには、自分の武器となるテーマを深掘りしていくことが重要です。たとえば「人事×新しい働き方」「広報×新しい働き方」といったテーマは、今、非常に求められているところでしょう。

部長職までいかなくても、何か1つのプロジェクトを立ち上げ、リーダーとして運営していく経験を積むことは、大きな一歩となるはずです。このとき大切なのは、プロジェクトの全体像を1から10まできちんと把握していること。何か聞かれたときに、答えられない穴があるという場合は、まだまだ上司の助けを借りている状態、と考えましょう。