おじさん社会になじむ必要はあるのか

問題は、行きたくない理由が「職場での付き合いだけにとどめたい」「子育て中で時間がとりにくい」などだった場合です。この場合、参加するには多少の我慢や無理をしなければなりません。

キャリアアップのために、つまり男性社会になじむために無理をしてまで付き合うべきかどうか──。結論から言えば、私は行かなくていいと考えています。なぜなら、おじさんたちによる今の男性社会は、間もなく終わりを迎えるからです。

彼らはあと10年前後で定年を迎え、会社からいなくなります。それとともに、ゴルフや飲みニケーションで仲間意識を強め、その仲間だけを取り立てるような風潮もなくなっていくでしょう。

皆さんのキャリアはあと数十年もあります。今の上層部と仲間意識を強め、彼らの社会になじんだとしても、その環境は長くは続きません。だったら、今無理をして付き合いに時間を割くよりも、彼らがいなくなった後のことを考えてスキルを磨くことのほうに力を注いでほしいと思います。

付き合いを重視した働き方は少数派に

また、彼らは「男は仕事、女は家庭」で育ってきた世代です。家事や育児は妻に任せて自分は仕事に集中する。そうした環境ですから、アフター5の飲み会にも休日の付き合いゴルフにも、比較的自由に参加できます。

しかし、共働きも多い今の人たちはそういうわけにはいきません。特に女性は、フルタイムで働いていても家事育児の負担が夫より大きい傾向にあります。業務時間外の付き合いに割ける時間は、50代以上の男性に比べてぐんと少ないはずです。

付き合いに精を出すおじさんたちを見ると、彼らのようにならなければキャリアを築けないと思うかもしれません。しかし、そうした働き方をする人は、間もなく多数派ではなくなります。

今後、男性の収入はさらに低下していくと予想されています。男性の稼ぎだけでは家族を養えないため、共働き世帯はさらに増え、それに伴って職場における男女平等もより当たり前になっていくでしょう。

さらには、独身の人も増え続けています。誰もが結婚して「男は仕事、女は家庭」と役割分担をする時代は、もはや過去のものになりつつあります。仕事やキャリアアップは、男性だけでなく女性にとっても重要なのだという認識も、この先ますます広がっていくと考えられます。