管理職にとって部下のマネジメントは重要な仕事の一つ。けれど、男性部下の扱いに悩んでいる女性は少なくありません。ナゾの“なめた態度”への対策を、男性学の研究者・田中俊之先生が教えてくれました。
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※写真はイメージです(写真=iStock.com/chachamal)

女性管理職を「中身は男」と言うおじさん心理

近年、女性管理職は少しずつ増加の傾向を見せています。しかし、それと同時に女性からは「男性部下のマネジメントに悩んでいる」という声が聞かれるようになりました。残念なことに、女性上司はなめられやすいと感じている人も少なくないようです。

もし女性というだけで軽視されているのなら、これは大きな問題です。原因としては、日本企業の多くがまだまだ男性社会だということが挙げられるでしょう。私自身、企業での研修の場で、それを実感することがよくあります。

「あなたの会社のマネジメントクラスの女性はどんな人物ですか」と雑談をすると、「女性らしくない」「中身は男」などという答えが返ってくるのです。これにはもうため息しか出ません。どんな人物かを表現するのにまだそんな言葉が出てくるのかと、正直、説教するのも面倒なぐらいです(笑)。

この答えからは、管理職は男性の仕事であって、女性には無理だという思い込みがうかがえます。彼らに悪意はないとはいえ、こうした根拠のない思い込みが、女性上司をなめる土壌をつくっていると考えられます。