なお、公園は真夜中でも不特定多数が出入りする場所のため、防犯面ではマイナス評価。学校の隣も日当たりでは安心だが、騒音や校庭の砂埃がひどいため、評価は分かれる。

戸建ての場合は、境界線を確認する。本来は売り主が隣地所有者との間で土地の境界を画定しておくべきだが、なおざりの場合も少なくない。境界標識を現地で調べ、見あたらなければ売り主に問い合わせたい。

周辺住民への聞き込みは必ず行う。土地や物件の来歴、交通事情、騒音や悪臭、地元の学校の評判、要注意の人物や団体の存在、浸水など災害の有無……。たとえば「地目」などは登記簿上は「宅地」と書かれていても、聞き込みで「昔は池沼だった」とわかることもある。地盤が緩いと建物は傾く。

とりわけ、どういう人が住んでいるかという情報は重要だ。中古住宅では、すでにあるコミュニティのなかに転校生のように飛び込むことになる。年齢や家族構成、職業などが大きく異なると、住まい方への考えも異なるため、後々のトラブルのタネになりかねない。自分たちと似た住民のいる地域やマンションを選びたい。

マンションでは、とりわけエントランスの掲示板に注目だ。掲示板はトラブル情報の宝庫。「ピアノは○時まで」「深夜のたむろ禁止」「空き巣に注意」などの注意書きは参考になる。

最後に、購入の直前には専門の建築士に建物調査(インスペクション)を依頼することを勧めたい。費用は木造戸建てなら10万円程度。入居後の安心を買うと思えば、高くない投資だ。

(構成=斉藤栄一郎)