地頭を鍛える方法はあるか

「地頭力の良い人」=「生まれつき頭の良い人」というわけではありません。地頭力は後天的に身につくもので、努力すれば鍛えることもできます。今の時代、論理的思考=ロジカル・シンキングを学ぶ方法はいくらでもありますが、これまで僕が読んできた中でも特におすすめの書籍を紹介します。『ロジカル・シンキング Best solution』(照屋華子、岡田恵子著)は、マッキンゼーのコミュニケーション・スペシャリストとして、コンサルタントが作成したスライドや文書などの論理構成をチェックする役割を長年担っていた著者二人が、その経験から導き出した論理的にメッセージを伝えるためのポイントを綴っています。

そのポイントとは、話の重複や漏れ、ずれをなくす技術「MECE」と、話の飛びをなくす技術「So What?/Why So?」。これらの技術を習慣づけることによって、論理的思考力・表現力が飛躍的にアップして地頭が良く見えるようになるはずなので、興味がある人はぜひ一度読んでみてください。

個人的には、“ロジカルお化け”になる必要はないと思っています。論理的思考の基本的な考え方がわかるだけでも、普段の話し方や仕事の進め方が変わってくるのではないでしょうか。本を読むのが苦手な人は、動画を探してみても。最近ではロジカル・シンキングや地頭力をテーマにした動画もたくさん投稿されています。書籍のほうが圧倒的に情報量は多いですが、まずは自分に合った方法で論理的思考について学んでみましょう。

構成=福田彩 写真=iStock.com

高野 秀敏(たかの・ひでとし)
キープレイヤーズ代表取締役

新卒でインテリジェンスへ入社。その後、2005年にキープレイヤーズを設立し、人材エージェントとして55社以上のアドバイザー・社外役員・エンジェル投資を国内、シリコンバレー、バングラデシュで実行。3000名以上の経営者の相談と、1万名以上の個人のキャリアカウンセリングを行う。マネージャーとして、キャリアコンサルタントチームを運営・教育。人事部採用担当として、数百人の学生、社会人と面談。学校や学生団体での講演回数100回以上。