地頭が良い人の6つの特徴
近年、「地頭力」がクロースアップされる機会が増えてきました。書籍などでも「地頭力とは?」とか「地頭力を鍛えるには?」といったテーマが取り上げられ、よく売れているそうです。なぜ今、地頭力が注目されているのでしょうか。
実は「地頭が良い」というワードは採用業界ではかなり前から使われてきた言葉なのです。これからのビジネスにおいては、「知識が豊富な人」「勉強ができる人」よりも「地頭の良い人」が有利になると言われています。地頭が良い=偏差値が良いということではないので、人事の方の中には「偏差値が高ければ仕事ができるわけではない。出身大学がどこかは関係ない」と話す人もいるほどです。
地頭の良さに明確な定義があるわけではありませんが、一般的に地頭が良いとされる人には以下のような特徴があります。
・思考が深い
・頭の回転が速い
・推理力がある
・情報収集力が高い
・柔軟な発想ができる
採用面接は地頭を見極められる場
論理的に物事を考えられるため、意見を求められたときや選択を迫られた際に正しい答えを導き出すことができます。情報収集力が高いので、あらゆる情報を判別して短時間で的確に判断を下すことができ、周囲の人に頼りにされやすい傾向にあります。
なぜこのような人材が求められているかというと、その理由はビジネスの変化スピードがこれまでと比べて格段に速くなっていることにあります。環境や状況の変化が激しく、これまでの知識、常識が通用しなかったり、前例のない課題に対して解決策を考えたりしなくてはならないことが増えているからです。
また、以前から繰り返しお話ししているとおり、どこの企業もマネジメント経験のある30~40代の人材が足りていないことも大いに関係しています。
35歳以上の転職では、「面接=地頭の良さを見極められる場」と考えておいた方が良いでしょう。地頭が良いかどうかは、質問をしっかり理解しているか、質問に対して的を得た回答ができているか、話が分かりやすくまとまっているか、予想外の質問にも臨機応変に回答できているかなどで判断されます。
頭が悪いと思われる残念な面接の受け応え
逆に、面接で地頭が良くないと思われてしまうのはとても簡単。①質問に対して結論から答えない ②理由を聞いても明確に答えられない ③理由が具体的でない ④辻褄が合わない ⑤話が長い ⑥物事を時系列で話してしまう……。どうでしょう? 「これ、私のこと……?」と思った人もいるのではないでしょうか。特に女性はこういう話し方をする人が多いですよね。要するに論理的でないということなのです。
残念ながら、論理的な話し方ができないと面接ではなかなか評価してもらえません。テレビを見ていても、コメントをふられたタレントやコメンテーターの持ち時間はせいぜい30秒。それ以上話すと長いと思われてしまいます。短く話すには結論=ポイントは何なのかを考える必要があるのでとても頭を使うのですが、その考えるクセをつけることがとても大事なのです。面接でも要点をまとめていかに端的に話せるかが結果を左右します。やはり日頃から論理的に考える、話すトレーニングをしておく必要があると思います。
地頭を鍛える方法はあるか
「地頭力の良い人」=「生まれつき頭の良い人」というわけではありません。地頭力は後天的に身につくもので、努力すれば鍛えることもできます。今の時代、論理的思考=ロジカル・シンキングを学ぶ方法はいくらでもありますが、これまで僕が読んできた中でも特におすすめの書籍を紹介します。『ロジカル・シンキング Best solution』(照屋華子、岡田恵子著)は、マッキンゼーのコミュニケーション・スペシャリストとして、コンサルタントが作成したスライドや文書などの論理構成をチェックする役割を長年担っていた著者二人が、その経験から導き出した論理的にメッセージを伝えるためのポイントを綴っています。
そのポイントとは、話の重複や漏れ、ずれをなくす技術「MECE」と、話の飛びをなくす技術「So What?/Why So?」。これらの技術を習慣づけることによって、論理的思考力・表現力が飛躍的にアップして地頭が良く見えるようになるはずなので、興味がある人はぜひ一度読んでみてください。
個人的には、“ロジカルお化け”になる必要はないと思っています。論理的思考の基本的な考え方がわかるだけでも、普段の話し方や仕事の進め方が変わってくるのではないでしょうか。本を読むのが苦手な人は、動画を探してみても。最近ではロジカル・シンキングや地頭力をテーマにした動画もたくさん投稿されています。書籍のほうが圧倒的に情報量は多いですが、まずは自分に合った方法で論理的思考について学んでみましょう。