さらに、部門別に女性を登用するポジションを決める「女性フィーダーポジション」を設置。候補者を挙げて、計画的な育成に取り組んでいる。

空調営業本部 事業戦略室 企画担当課長 安藤聡子さん

「名前を挙げて管理職候補を把握することは以前からずっとやってきたので、今度はポジション側から育成の仕掛けをつくろうということ。候補者の昇進が必ずしも約束されているわけではありませんが、修羅場を与えて育てることで成長の加速につながると考えています」(池田さん)

ここまで力強く女性の活躍推進に取り組んできた同社が、さらに必要と考えていることは何だろうか。

「社内全体の意識は大きく変わってきましたが、十分とは言えません。いろいろなスタイル、いろいろな個性の女性管理職がたくさん実在するということが、最も社員の意識を変えるのではないかと思います。20年度末までに女性管理職100人の実現をめざし、今後も着実に努力を続けていきます」(池田さん)

支援制度の充実が仕事の意欲につながる

空調営業本部の安藤聡子さんと法務・コンプライアンス・知財センターの安田佐和子さんは、管理職として活躍するワーキングマザー。8歳と6歳の子どもを持つ安藤さんは、2回とも出産から11カ月で職場に戻った。1人めの育休後は短時間勤務から再スタート、2人めのときはフルタイムで復帰。子どもが小さいころは、定時よりも早く出社して早く帰宅する勤務スタイルをとった。

法務・コンプライアンス・知財センター 法務グループ 担当課長 安田佐和子さん

2歳児の子育て中という安田さんは1年4カ月の育休の後、フルタイムで復帰。現在、定時より1時間ほど早く出社し、そのぶん早めに仕事を切り上げる。時差のある海外拠点との電話会議があるため、スポットで在宅勤務も利用している。

2人とも、仕事を続けるうえで育児支援の制度は欠かせなかったという。子どもの急病時などは、法人契約している病児保育などの支援会社「マザーネット」を利用。安田さんは実家の親の支援を受けるための交通費の補助も利用している。

「夫が海外に単身赴任しているので一時は退職も考えました。支援制度があったから、今まで築いてきたキャリアを継続させることができたと思っています」(安田さん)。「いざとなったら頼れる制度のおかげで、出張など仕事の日程を決める際も調整がしやすく、気持ちにゆとりが持てました」(安藤さん)

仕事と子育ての両立支援を受け、管理職としても思い切って仕事に挑戦できると実感している。