台湾で台頭し始めた「独立派第三勢力」の新興政党
年明け早々1月11日に行われた台湾総統選挙は、蔡英文総統が過去最高の817万票を獲得して再選された(投票率74.9%)。同時に行われた立法委員選挙でも、民進党が単独過半数を維持した。
今回の立法委員選挙では、与党の民進党や野党第一党の国民党とは異なる、独立派の「第三勢力」が生まれるかどうかにも注目していた。そんな中で新たに1議席を獲得したのが、昨年12月21日、高雄で「光復高雄」「(親中派の)韓国瑜市長の罷免を求めるデモ」を主催し、50万人を集めた台湾基進党だ。
同党の党首は、陳奕齊氏(2019年7月9日付『香港独立運動の父「一番心配しているのは日本」』参照)である。陳氏は「台湾の『香港独立運動の父』」とも称され、1997年の香港中国返還当時から香港独立派と交流を持つ。香港で不当逮捕された香港民族党の陳浩天(アンディ・チャン)党首とは長年の盟友であり、昨年9月にはドイツで周庭(アグネス・チョウ)氏とも意見交換をしている。今や彼は台湾だけでなく、香港/アジアの反共産主義のリーダーの一人と目されている。
その陳氏に、今回の台湾総統選挙の意味、そして習近平氏の国賓来日について、再度意見を求めた。
「今回の総統選挙を、中国共産党は2020年11月3日のアメリカ大統領選挙の前哨戦と考えていた」と陳氏は語る。「2018年の高雄市長選挙で韓国瑜が当選したことで、中国共産党は今回の総統選挙での勝算を高く見積もり、一気に香港独立運動の制圧にも乗り出した。国民党の韓氏が総裁選で勝てば、アメリカのパンダハガー(親中派、中国代理人)を使って一気に反トランプ攻勢をかける予定だったのだろう」(陳氏)。
しかし、香港における民衆の反発は予想をはるかに超え、逆に中国共産党の凶暴性を世界に露見させる結果となった。「中国とともに経済発展を」という甘い蜜に飛びつくことがどういう結果を呼ぶかが、明確に実証されたのだ。