書くことを習慣化すれば自己肯定感は高まる

ちなみに左脳は、読む、話す、計算するなどの言語、文字の認識や計算するという推理、論理的思考などを担当し、論理脳と呼ばれます。右脳は、映像の認識、イメージの記憶、直感・ひらめきを司り、感覚脳と呼ばれています。

そして、先ほどお伝えした「書く」ことの“3つの効果”は脳のバランスを整える効果もあるのです。

感情を吐き出し書き出す「①アウトプット効果」は主に感覚脳である右脳を使います。文章にして確認することで心の整理整頓をする「②見える化効果」は論理脳である左脳を使います。書き出したものを目で視て記憶する「③インプット効果」は、左脳と右脳を同時に使います。

“3つの効果”を引きだす書き方をすることで、左脳と右脳がバランスよく使われ、あなたの脳のバランスを整えることができます。つまり、あなたの思考や感情のバランスも整うのです。

また、脳は変化を嫌う性質があります。なぜなら、新しいことをすることで、細胞の大量のエネルギーを余分に使うのを嫌がるからです。だから、人間は変化を嫌う生き物なのです。

逆に、習慣化されたものは、日常になります。脳は変化を嫌いますから、これを崩すことはできません。

つまり、『自己肯定感ノート』を習慣化すれば、脳が勝手に自己肯定感を高め、人生を変えてくれるというわけです。

書くだけで年収が10倍に

書くことの効果を目標達成に利用し、その経過を追った長期の研究もあります。たとえば、勉強において達成したい目標や学習計画を立てたら、紙に書き、可視化します。試験に合格したければ、「◯◯の試験に合格する」と書き、1ヵ月で参考書を終わらせたければ、「○月○日までに参考書を終わらせる」と書きます。

このように目標を書き、目標達成に向けての詳しい計画を立てると、一貫性を保ちたいという人間の本能が働き、目標が現実になる確率が上がります。

その有効性については、ハーバード大学の研究チームが1979年から10年間かけて追跡調査を行った研究によっても証明されています。調査開始時、研究チームは同大学の学生たちに「目標をもっているかどうか」「目標を紙に書き出しているか」と質問しました。

すると、その回答は次のような結果になりました。

●84%の学生は「目標をもっていない」と答えた。
●13%の学生は「目標をもっているが、紙には書いていない」と答えた。
●3%の学生は「目標をもち、それを紙に書いている」と答えた。

優秀な学生の集まるハーバード大学でも将来に向けた明確な目標をもっていたのは、16%。そのうち紙に書き出していたのは、わずか3%でした。

10年の追跡調査の後、驚くべき結果が出ます。明らかになったのが次の2点です。

●10年後、目標をもっていたが紙には書いていなかった13%の卒業生は、とくに目標をもっていなかった84%の卒業生の2倍の収入を得ていた。
●10年後、目標を紙に書いていた3%の卒業生は、残り97%の卒業生の10倍の収入を得ていた。