「ペーパーレス化が進みますよ」

対応策の一つは「待つ」です。この先、働き方改革はさらに進み、昭和上司たちは定年退職していくわけですから、全社員が毎日定刻に出社するような働き方はいずれなくなっていきます。

とはいえ、そんなに長く待ちたくないという人も多いでしょう。その場合は上司をうまく説得してほしいと思います。おすすめは、リモートワークのメリットをわかりやすく伝えること。評価しないことへの不満を訴えるのではなく、上司に“響く”言葉でメリットを説明してあげるのです。

1番目の説得法は「リモートワークを推進するとペーパーレス化が進みますよ」という言い方。自宅など社外で仕事をするには、資料をパソコンに取り込んでおく必要がありますから、自然とペーパーレス化が進みます。近年はこれに取り組んでいる企業も多いので、社の方針であれば上司も納得しやすいでしょう。

“ペーパーレス化”がわからない上司には……

ただ、ペーパーレス化がよいことだと知ってはいても、実際にはそれがどういうことなのか、よくわかっていない上司もいるかもしれません。私は先日、授業で「子どもの頃トランシーバーのおもちゃで遊んで、とても楽しかった」という話をしたのですが、驚いたことにスマホ世代の学生たちはトランシーバー自体を知りませんでした。

当然、私の楽しかった思い出にも共感してもらえず、少し寂しい思いをしたものです(笑)。それと同じで、世代が違えばわかり合えるポイントも違うもの。そんな時は、少々面倒でもペーパーレス化とは何か、なぜ推進されているのかを丁寧に説明してあげてください。その後押しになるリモートワークへの理解も、きっと深まると思います。

2番目の説得法は「皆のPCスキルが上がって生産性がアップしますよ」というものです。リモートワークは必要書類をデータでやり取りすることが多いため、ExcelやPowerPoint、Wordといったソフトを使いこなすスキルが必要です。部署の中には、このスキルがないせいで生産性が上がっていない人もいるかもしれません。

リモートワークは、個々のPCスキルをチェックする機会になります。さらには、苦手部分を克服して磨きをかける機会にもなります。そうなれば、部署全体のスキルアップ、ひいては生産性アップにつながっていく可能性が高いでしょう。上司自身の評価にもつながる部分なので、こちらも説得力があるかと思います。