勝つことで自信が保てるつらい習性
男性同士のマウンティングは、仕事がらみの話題で勃発することが多い傾向にあります。一歩会社の外に出れば通用しない話題なのに、なぜそんなに狭い範囲で勝敗をつけたがるのか。それは、男性の多くが小さい頃から企業社会の立派な一員になるべく育てられてきているからです。
男性は、進学校から難関大学、一流企業へと歩むことがステータスとされ、立派な男性像の一つにもなっています。この学歴社会的な風潮は1990年代で終わったとも言われますが、企業の採用には相変わらず学歴フィルターが存在していて、大学教員をしていると「まだまだ学歴社会は終わっていないな」と実感させられます。
競争原理が支配する男社会では、男性は受験や採用、出世レースなどさまざまな場面で常に勝ち続けなければなりません。そのため、多くの男の子は「勝てる子」になることを目標に育てられます。それが男らしさであり、強さの証明であると教えられるわけですね。このように煽られ続けた人は、自然と競争意識が強くなり、やがて自分の価値を他者に勝つことでしか確認できなくなっていきます。