フィンランドの新首相が34歳女性という報道が話題を集めています。翻って日本ではなぜ、昔からずっと男性の高齢議員が政治を牛耳っているのでしょうか。国際比較が専門の明治大学鈴木賢志さんが分析します。
写真=SPUTNIK/時事通信フォト

閣僚19人のうち、女性が12人

国際連合の持続可能開発ソリューションネットワークが毎年発表する『世界幸福度報告(World Happiness Report)』の幸福度ランキングで2018年、19年と2年連続でトップを飾ったフィンランドから、驚きのニュースが飛び込んできました。同国の新たな首相に、サンナ・マーリンという弱冠34歳の女性が就任したというのです。しかも「若い女性」は彼女だけではありません。マーリン政権は5つの少数政党からなる連立政権ですが、マーリンが所属する社会民主党以外の4つの党の党首はいずれも女性で、しかもそのうち3人はマーリンと同じく30歳代前半の若さです。閣僚は全部で19人ですが、その内訳は男性7人、女性12人。年代別に見ると、30歳代が4人、40歳代が7人、50歳代が6人で、最年長が61歳となっています。平均年齢は47歳です。

日本の女性閣僚は20人中3名のみ

ちなみに今年の9月に発足した第4次安倍再改造内閣の首相・閣僚合わせて20人の内閣発足時の平均年齢は61.6歳。安倍首相は65歳で、70歳代の閣僚は、79歳の麻生太郎副総理・財務大臣をはじめ6名。最年少の小泉進次郎環境大臣は38歳でした。女性の閣僚は高市早苗総務大臣と橋本聖子五輪、そして就任からひと月半ほどで辞任した前任者を受けて就任した森まさこ法務大臣の、わずか3人です。