Case 2
部下たちの心の健康を守りたい。メンタルヘルス・マネジメント検定で体系的に勉強

大手食品メーカーで室長を務める古賀尚美さんが、メンタルヘルス・マネジメント検定を受験したのは、職場のメンバーのメンタル疾患がきっかけだったそう。


古賀尚美さん

「メンタルヘルスに不調をきたす人は、世間でも随分増えているものの、いざメンバーがそうなると、責任者としてどう対応するのが正解なのかがわからず、不安を感じました」

それまで新しい業務に関わるたびに、スキルの習得やレベルアップを目指し、経営品質協議会認定セルフアセッサー資格や、食品表示検定などを取得してきた古賀さんだが、管理職に重要なヒューマン・リソース・マネジメントの一環として、メンタルヘルス・マネジメント検定試験の受験を決意。部下全員にチャレンジ宣言をし、勉強をスタートした。

「平日は通勤時間を使い、休日は図書館やカフェで集中的に勉強。通信教育を活用し、受験対策のスクーリングも4回受講しました。その後は、過去問題集を反復学習。内容が興味深く、集中して取り組めましたが、モチベーションを維持するため、勉強の合間に、ゴルフの練習やエステに行くなど、リフレッシュの時間もつくりました」

約半年間の勉強で、最も難易度の高いI種マスターコースに合格。学びの過程でも多くの気づきを得たと話す。「ストレス反応の種類や背景を体系的に理解できたことは大きな収穫でした。また、症状が現れていても安易に治療を勧めることはできないこと、業務に影響が出て初めて治療を勧める、ということも知りました」

メンタルヘルスに関する正しい知識を得たことで、以前より細やかなマネジメントができるように。

「普段の様子と違う部下に気づくことができるようになり、早期に声掛けすることで、メンタル疾患の未然防止につなげることができていると感じます。部下への接し方でも、説得するというより、じっくり話を聞くことを意識するようになりました」

いぬかいはづき
産業カウンセラー
All About「仕事に活かせる資格」ガイド。産業カウンセラー、キャリアデベロップメントアドバイザー、心理相談員として、人材サービス業や行政の相談機関でキャリアカウンセリングに従事した経験を生かし、キャリア設計に役立つ情報を発信。

 

内藤淳宏
TAC 宣伝企画部 宣伝販促グループ 責任者

 

イラスト=山本由実 写真=iStock.com

西尾 英子