新人時代は「何となく働く人」だった
シーチャウさんは中国・四川省の出身。18歳の時に留学で来日し、学生時代にはサークルやアルバイトなどさまざまな活動に打ち込んだ。さらに、学生ベンチャーからヘッジファンド、外資コンサルまで幅広い企業でインターンを経験。こう聞くと、若い頃から意欲にあふれた“働き女子”だったように映るが、本人は笑いながら首を振る。
「全然違うんです。サークル活動や飲み会が大好きで、勉強や仕事への意識も決して高くない“ゆるふわ”な学生でした。ただ単に、新しいことに首を突っ込むのが楽しかったんです。働くことで充実感もありましたが、当時の私にとっては学生生活を楽しむことのほうが大事でした」
卒業後はP&Gに入社し、マーケティング部門に配属。当初は特にキャリアアップを目指すこともなく、毎日できる限り効率よく、かつ楽に仕事を片づけてはさっさと帰宅していたという。
もともと要領がよかったのか、それでも特に失敗することも怒られることもなく、「何となくやっていけていた」と語るシーチャウさん。ところが、2年が過ぎたある日、上司からの「本音の評価」に衝撃を受ける。