資格の取得目的と組み合わせ方がカギ
資格や検定は、「組み合わせることで、より威力を発揮する場合がある」といぬかいさんは強調する。
「2つ以上の資格を取ってキャリアを強化することで、活躍の範囲が広がり、周りと差別化できます。もちろん、たくさん持っていればいいというわけではありません。肝心なのは、資格の取得目的と、どんな資格を組み合わせるかです」
効果的な組み合わせ方は2パターンあるという。
「最も一般的なのが、同じ専門分野の資格を組み合わせる方法です。IT系の職種なら、ITパスポート+基本情報技術者、経理や会計部門なら、日商簿記検定と英文の簿記であるBATIC(国際会計検定)など。この組み合わせのメリットは、専門性が明確で、その分野のスペシャリストとしてアピールできることです」
語学の場合、TOEICにプラスして何か資格を取りたいと考える人は多いだろう。今から取得するなら日商ビジネス英語検定がおすすめだ。
「仕事で英語を使うのは、会話よりメールが主流という企業も多い。この検定はビジネスに特化した読み書きのみを扱うため、実践的な能力を証明できます」
2つ目が、業務上関わりの深い分野の資格を組み合わせるパターン。
「例えば、社会保険労務士とキャリアコンサルタント。社会保険労務士は、主に社会保険にまつわる人事や労務管理の業務を行いますが、そこにキャリアコンサルタントの知識を加えることで、会社単位だけでなく、個人のキャリア形成のアドバイスも可能に。さらに、メンタルヘルス・マネジメント検定を組み合わせれば、働く人の心の健康までサポートでき、マルチな人材として活躍できると思います」。どんなスキルを身につけ、どう働きたいかを想定しながら資格を広げていくことが大切だ。
IT、労務、マネジメント、金融……これから狙い目の資格はこれです!
「働き方改革や女性活躍推進法の改正など、労働環境の変化に伴い、人事や労務制度は知識のバージョンアップが必須。これらのスキルを持つ人材は、企業で重宝され、活躍が期待できます」と、TACの内藤さん。
特に、人事・労務・社会保険のエキスパートである社会保険労務士のニーズが急増しているという。
金融系では、新たに登場した年金検定と相続検定が狙い目。「制度が複雑で改正も多いため、詳しい知識を持つ人は、とてもニーズがあります。金融や住宅、不動産業界のほか、人事や労務に携わる人のスキルアップにもいいですね」