韓国人観光客は「消えた」が、インバウンドはここ20年で10倍以上

外国人旅行客(インバウンド)に目を転じれば、2000年台初頭は40万人程度にすぎなかったが、2018年の外国人旅行客の総数は、450万人と過去最高を記録した。インバウンド増の背景には、特に米国の有力な旅行雑誌であり、世界の旅行市場に影響力をもつ『トラベル・アンド・レジャー』誌の影響が大と言われている。同誌の読者アンケートで、京都は7年連続ベスト10入りを果たしている。

写真=iStock.com/Purplexsu
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しかし、今年は目に見えて韓国人旅行客が「消えた」。言わずもがな、日韓の政治対立が原因である。京都に訪れる国別の観光客数は中国(117万人)、台湾(66万人)、米国(43万人)、韓国(30万人)、オーストラリア(21万人)。韓国旅行者が激減しているのは確かのようだが、それを感じさせないほど全体の客足が増えている印象がある。

京都では宿泊施設が建設ラッシュだ。宿泊施設の客室数は、2016年は3万室にすぎなかった。「国際観光都市にしては宿泊施設の数が少ない」と言われていた京都だが、わずか3年で4万6000室にまで増加。現在は、飽和状態で、空室も目立ってきているという。

無許可営業の違法民泊も増えている。今年5月までに通報のあった2518施設が行政指導を受けた。違法民泊は指導を受けると営業許可を取る手段には出ず、さっさと営業をやめるという。金儲けをするだけして、問題が発覚すればさっさと逃げる。京都を「草刈り場」にするような行為であり、実に悪質である。

日本人宿泊客数は2014年以降、4年連続で減少

外国人は増えているが、肝心の日本人宿泊客数が減っていることが心配だ。2014年以降、4年連続で減少している。また、修学旅行客も減っている。2017年に112万人であった修学旅行者が翌2018年には95万人にまで減少している。京都は、日本人からは敬遠されてきているのだ。

いったん増えた観光客を、減らすことはほぼ不可能だ。だとするならば、観光客のマナー向上に向けてアイデアを絞るべきだ。

たとえば、観光客にゴミ袋を渡し、道すがらゴミを拾って一定分量集めれば、観光施設の無料パスがもらえるといったふうに。もちろん、地元民がゴミを率先して拾い、美観につとめることこそが、地道かつもっとも効果的な方法ではあるが(むろん、多くの地元民がやっている)。

「規制」よりも「共生」の模索こそが、京都のブランドを高めることになるのだと思う。

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