「自主的な勉強会」については、勉強会を企画し、講師を連れてくるといった実行力が必要となる。適切な講師を見つけて関係を築いたり、勉強会のメンバーを集めるためにはネットワーク構築力も不可欠である。このような自己学習活動には強い主体性が求められるため、ここに挙げた能力以前に、「自己の能力を高めたい」との強い意欲を持っていることが活動の前提といえる。

40代後半以降の就業者にとって、最大の転職動機は「自分の能力をより発揮できる場所に移りたい」という点である。この世代は転職前より転職後の方が、賃金が低下する傾向にあるものの、転職後の満足度は決して低くない。つまり能力発揮の満足度が高ければ、転職はおおむね成功したと言えるだろう。

転職を成功させるために重要な3つの能力

このような観点を踏まえると、転職を成功させるために重要な能力とは「情報収集力」「実行力」「ネットワーク構築力」の3つであり、それ以前に不可欠なのは、「主体性を持って自己の能力を高めようとするマインド」と考える。

能力を高めることは何も転職につながるだけではなく、企業の中でもう一段、活躍していくためにも有効である。人生100年時代、就業期間はますます長くなっていく。ベストセラー『ライフ・シフト』の著者リンダ・グラットンは80歳まで働かないと、生計が成り立たなくなる可能性を示唆している。おそらく残念ながら、悠々自適の余生は今後は望みにくいだろう。今、私たち中高年ビジネスパーソンに求められているのは、自分自身に設定している「限界」を取り払うことではないだろうか。

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