アンチエイジングは、マッサージと運動食事で対処しよう

【タイプ別・アンチエイジングの対処法】

この時期は、寒さに加えて日照時間も減り、外で運動することが極端に少なくなります。若さを保つための秘訣には運動が必須ですが、運動時間が減ることで、カラダ自体が老化へと進んでいきます。さらに冬独特のストレスや食習慣の乱れで、老化が進みやい時期でもあるため、この時期にはアンチエイジング対策がお勧めです。

一生懸命頑張りすぎている頑張り屋さんタイプの人は、ストレスにより、カラダを傷つける活性酸素が生じやすくなります。対処法として、カラダを温めながらストレッチをしましょう。特にお風呂の中で顔の筋肉や手足の筋肉をほぐすことはとても効果的です。

お勧めのホットストレッチは、お風呂の中で、口元や眼もとの筋肉など顔の表情筋をほぐす運動や「あ・い・う・え・お」の母音を発音するように口を大きくあけてストレッチするのも効果的です。また、手や足裏のマッサージもいいでしょう。手や足の指を回したり、引っ張ったり、手のひらや足裏の中央を押したりと、気持ちいいと感じる強さでマッサージします(図表2)。

【ハンドマッサージ】手の平や、手の甲を押す、指を引っ張る、回すなどでマッサージする。【足裏マッサージ】①足の裏をよく揉む。②足指を引っ張る

生活リズムの乱れによっておこる生活習慣タイプの人は、活性酸素を抑えてくれる食べ物や食べ合わせがとても重要になります。特にビタミンA・B・C・E、ポリフェノール、リコピンなどがアンチエイジングの食材として注目されています。また、糖化と呼ばれるタンパク質変性が老化に関わっていることも見逃せません。糖化はタンパク質と糖が結びついたところに高温が加わると起こり、カラダを老化に導きます。そのため、食べ物だけでなく調理法にも気を使うことが大切です。

特に大豆に含まれ、女性ホルモンと構造が似ているイソフラボンは、骨粗鬆症の予防や更年期障害への対策だけでなく、肌の調子を整える働きがあります。また、活性酸素を抑える抗酸化作用もあるため、アンチエイジング対策にはとても重要な食品です。そのため、納豆や豆腐など豆類をなるべく多く摂取し、ホルモンのバランス調整だけでなく、アンチエイジング対策も行いましょう。

筋肉を鍛えて、成長ホルモンの分泌を促す

年齢による加齢タイプの人は、筋肉を鍛えることが大切です。強度が強い運動を行うと成長ホルモンと呼ばれる若返りホルモンが筋肉から分泌されるため、若々しさを保つことができます。

運動は、少し強度の強い3方向ひねり腹筋運動がお勧め。①仰向けでヒザを曲げて横になり、バンザイの格好をします。②その状態からカラダを起こし、手を右、中央、左と各10回ずつ行います(図表3)。なお、強度の強い運動は成長ホルモンを誘発させるだけでなく、テストステロンと呼ばれる男性ホルモンを誘発します。テストステロンはエストロゲンのような女性ホルモンの原料になるため、アンチエイジング対策には重要なホルモンです。

【3方向ひねり腹筋運動】①横になりヒザを立てて両腕を伸ばす。②息を吐きながら腕を上げ③右にゆっくりひねりながらカラダを起こす。④腕を前、左にひねり、①の姿勢に戻る。⑤②から左にゆっくりひねり、前、右ひねりを行うことを1セットとし、①~④を合計5セット行う。

なお、自分のカラダのタイプに関しては、カラダの状態を入れるだけで簡単にわかる無料アプリYOMOGIを利用すると便利です。月に1回(毎月10日まで)入力すると、あなたに合ったその月の養生法が送られてきます。

立冬は冬へのはじまりの時期です。カラダが冷えることで生殖器系や泌尿器系などさまざまな不調が現れるのがこの時期の特徴です。そのため、日頃からお腹や下肢を温めるようにして骨盤内臓器の冷えを防ぐことが大切です。

「立冬の特徴」

●心身の症状
カラダ:ホルモンバランスの乱れ、泌尿器系の症状、老化
ココロ:もの悲しい、気持ちの落ち込み

●季節に多い症状
老化が進む

●心身の養生法
カラダを温める、抗酸化の食材を摂る、運動する

●食養生に効く食材
レンコン・ブドウ

●ツボ
三陰交(さんいんこう)

写真=iStock.com

伊藤 和憲(いとう・かずのり)
明治国際医療大学大学院/養生学寄付講座教授

鍼灸学医学博士・全日本鍼灸学会理事。同大学附属鍼灸センター長。トリガーポイント鍼治療の第一人者であり、慢性痛の緩和治療に精通。現代女性のための、東洋医学に基づく心身のセルフケアも指導している。