老化のサインは、泌尿器系のトラブルから。免疫力アップに努めよう。
冬のはじまりである立冬は、老化のはじまりの時期とも言われています。老化の初めに現れるのは、泌尿器系のトラブル。頻尿にはじまり、残尿感や膀胱炎などのトラブルが多発します。また、ホルモンバランスもくずれ、肌荒れや下腹部・腰背部痛、さらには生理不順なども認められます。そのため、下腹部や骨盤周りを温めてケアすることが大切です。
ちなみに下腹部や腰背部は、子宮や卵巣、膀胱などと同じ部位から出る神経がコントロールしています。そのため、お腹や背中が冷えているということは子宮や卵巣、膀胱などの機能が低下しているとも考えられます。一度、下腹部や骨盤に手を当て、冷えていないか確認してみましょう。もし、手が暖かく感じるようであれば、骨盤内臓器の機能がかなり低下しているかもしれません。
立冬は、野山の葉っぱも落ちて、少し物悲しさを感じます。物悲しさから気分が落ち込むと、免疫力を低下させ、風邪や感染症にかかりやすくなったり、アレルギーや炎症などの症状を起こしたりしやすいとされています。春に向けての目標を決めるなどして、目的を持った生活を送ることがココロの充実にはとても大切であるため、メリハリのある生活を送るように心がけしましょう。
骨盤内臓の温め方と、食養生で“冷え”をケアしよう。
「カラダとココロの養生法」
下腹部や骨盤部を温めると、骨盤内の臓器血流が良くなることが知られていることから、ヘソの下や骨盤の上辺りを温めるといいでしょう。なお、温める方法によって骨盤内臓器の影響も少し異なります。
例えば、入浴(40℃前後)では皮膚表面は簡単に温まりますが、骨盤内臓器を温めることはできません。一方、カイロ(45℃前後)は、皮膚深部から骨盤内臓器を温め、さらにお灸(60℃前後)は、骨盤内臓器など深部組織の状態を改善します。そのため、日頃からカイロを下腹部や骨盤部に貼ったり、夜にはお腹にお灸を据えたりするなど工夫をすると、膀胱や子宮、卵巣の機能が改善しやすくなります。また、足首の周りをコントロールしている神経は、膀胱・子宮・卵巣をコントロールしている神経と同じため、足首の周りを温めることで、膀胱や子宮、卵巣の機能は改善します。足へのお灸や足湯などを定期的に行うといいでしょう。
「食養生」
この季節の旬はレンコンです。レンコンは喘息の改善に効果があり、痰を切り、炎症を抑えてくれる役割があるので、風邪の初期症状にはとても効果的です。さらに老化防止作用もあり、血液の浄化や解毒・利尿作用もあります。ただし、レンコンはカラダを冷やす作用があることから、カラダが冷えているときには摂りすぎないようにしましょう。
また、ブドウは補血作用があるため、体力の消耗時に効果的です。寒さにより体力が弱っているときに、とても良い食材といえます。
「お勧めのツボ」
立冬を乗りきるためのお勧めのツボとして三陰交があります(図表1)。三陰交は内くるぶしのいちばん高いところに小指をおき、指幅4本そろえて、人指し指が当たっている所で、すねの骨の際です。このツボは、婦人科のツボとして有名なツボで、生理痛や更年期の症状に効果的なだけでなく、消化器系や腎臓、泌尿器症状など骨盤内臓器に関する多くの症状に効果があります。イタ気持ちいい程度に10秒程圧迫し、5秒空けて5回程度刺激するようにしましょう。なお、足の内くるぶしあたりを触って冷たい場合は、ドライヤーで温めたり、お灸を行うことをお勧めします。