円満退職のコツ

2週間前までに申し出れば会社を辞めることはできますが、円満退職のためには、やはりできる限りは今現在勤めている会社のルールを守るようにした方がよいでしょう。退職希望日の1カ月前までには、退職の意思を会社に伝えてください。上司に話をする時に注意しなくてはならないのが、相談ではなくあくまでも報告をするということ。相談というスタンスだと、上司に引き止めの機会を与えてしまいます。上司の仕事を増やさないためにも、何を言われても意思は変わらないということを最初に伝えておくべきです。また、不平や不満を言わず、退職はあくまでも個人的な理由であって上司の責任ではないという配慮を欠かさないことが、スムーズな退職へとつながります。

それでも、いろいろな事情で思うように退職の手続きが進まない可能性もあります。転職先と今の会社との間に挟まれ、身動きが取れなくなってしまうこともあるかもしれません。そんな時は7:3を基準に行動してください。円満退職のためには今の会社のことも無視するわけにはいきませんが、優先させるのはあくまでも転職先。すべての引き継ぎを1カ月以内に終え、内定から45日以内には転職先に移れるように努力しましょう。

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高野 秀敏(たかの・ひでとし)
キープレイヤーズ代表取締役

新卒でインテリジェンスへ入社。その後、2005年にキープレイヤーズを設立し、人材エージェントとして55社以上のアドバイザー・社外役員・エンジェル投資を国内、シリコンバレー、バングラデシュで実行。3000名以上の経営者の相談と、1万名以上の個人のキャリアカウンセリングを行う。マネージャーとして、キャリアコンサルタントチームを運営・教育。人事部採用担当として、数百人の学生、社会人と面談。学校や学生団体での講演回数100回以上。