従来型売り切りビジネスよりも、より鮮明に批判者が離反していることがわかります(継続購入していない)。また、0点~4点をつけた「強い批判者」は、口コミをしないだけでなく、むしろ積極的に不買を薦める傾向があるのも特徴的です。推奨者の方を見てみると、従来型のビジネスでは、推奨者の継続購入指数は、中立者を1とした場合に1.2くらいでしたが、サブスクリプションビジネスの場合は2倍近くになりました。つまり、サブスクリプションビジネスにおいては推奨者をいかに作るか、また逆にこういった強い批判者を作らないかということが、非常に重要になるということが明らかになりました。

「推奨者」であるほど企業へのロイヤルティが高い

サブスクリプションビジネスの口コミ

もう一つ興味深い傾向として、売り切りビジネスでは、ほとんどの口コミは購入して半年以内の人によるものですが、サブスクリプションビジネスの場合は、利用期間が1年~3年、つまり長く使っている人の方がより口コミをする傾向があります。口コミの受け手側で見てみると、サブスクリプションビジネスは、生命保険、モバイルキャリアといった長期契約のビジネス以上に口コミを参考にする人の割合が大きいという結果が出ました。スーパーやコンビニなどの小売りにおいては、口コミは影響が小さいこともわかっています。まとめると、サブスクリプションビジネスでは、発信側と受容側、両方合わせての口コミ効果が非常に大きくなる、ということが言えます。

ここで実際に、各会社の評価を見て見ましょう。図表4の黄色の部分が推奨者、赤い部分が批判者です。動画配信ですとNetflix、家計簿アプリではマネーフォワードの推奨者比率が突出しています。NPSのスコアはそれぞれ28%と24%です。プラスに大きく振れる数字は日本の他業界と比べても、非常に高い水準です。

サブスクリプションサービス別のNPS