条件交渉のポイント

年収に限らず、勤務地や勤務時間などについても、面接の場で希望条件をはっきりと提示しておくこと。特に小さいお子さんがいる女性は、勤務時間などを家族とよく話し合っておきましょう。しかし、交渉そのものが不可能と言ってるわけではありません。現在の収入などを基準に生活しているのは企業側も理解できるはずなので、「年収が今よりも下がるのは困る」と主張するのは大丈夫。もし今の年収よりも低い額を提示されたら、現在の年収をベースに交渉してみてください。

転職で給料を上げたいと考える人は多いと思いますが、転職で年収アップできることは案外多くないのです。企業の給与体系は簡単に変えられません。もちろん、先方が絶対に来てほしいと思う人材であれば多少給与が高くても企業側は採用したいので、始めから「年収◯◯◯万円以上であれば入社します」と言い切ってしまうのも手です。しかし、それが通用するのはごく一部と考えたほうがいい。とりあえずはご縁があった会社に入り、その後の活躍を見て判断してもらいましょう。「会社に貢献して、年収は自分の力で上げるんだ!」くらいの覚悟が必要です。

構成=福田 彩 写真=iStock.com

高野 秀敏(たかの・ひでとし)
キープレイヤーズ代表取締役

新卒でインテリジェンスへ入社。その後、2005年にキープレイヤーズを設立し、人材エージェントとして55社以上のアドバイザー・社外役員・エンジェル投資を国内、シリコンバレー、バングラデシュで実行。3000名以上の経営者の相談と、1万名以上の個人のキャリアカウンセリングを行う。マネージャーとして、キャリアコンサルタントチームを運営・教育。人事部採用担当として、数百人の学生、社会人と面談。学校や学生団体での講演回数100回以上。