グローバル研究開発本部の木下潔さん(入社17年目)は現在、週2~3日を在宅勤務にしている。集中して取り組みたい論文執筆や、時差のある本国(アメリカの親会社)とのやりとりは、ほとんど自宅で行う。

「自宅が茨城県なので、在宅勤務にするだけで往復約180分の通勤時間が浮くんです。使える時間が増えて、1日24時間が26~27時間になった感覚です。家だと快適すぎて、つい長時間没頭してしまうので、夕方に犬の散歩をした後は、家族と過ごすようにしています」

自己実現にもつながる、社内ネットワーク

11年以降は、以前から興味があった社内ボランティア活動に積極的に参加している。冒頭で紹介した「復興BAR」は、木下さんがリーダーを務めるボランティアネットワークの発案。東北エリア担当のMR(医薬情報担当者)から、「被災した岩手県の海岸清掃を手伝ってほしい」と頼まれたのをきっかけに、おもに被災地支援に取り組んできたという。

(左)グローバル研究開発本部 薬事領域 非臨床開発部 非臨床担当マネージャー 木下 潔さん(右)流通本部 北関東・甲信越流通営業部 ホールセラーシニアスペシャリスト 玉井さくらさん

「第三者を巻き込みながら、ひとつの志を完遂する達成感がボランティアの醍醐味(だいごみ)です。普段は接点がない他部署の人との共同作業も刺激的で楽しい。19年は、西日本の被災地に向けた活動も広げていきたいです」

15年4月にスタートした「カルチャーアンバサダー」というネットワークも、多くの社員から注目を集めている。各部門から代表者が参加し、「より強い会社、良い職場」づくりを目指す活動を行う。

それを知って、流通本部で働く玉井さくらさん(入社12年目)はすぐに応募を決めた。

「全社員が実践でき、社風をよくする方法は?」

全国から集まったメンバーがアイデアを持ち寄り、長時間かけてディスカッションしたり、育休や有休の取得率を上げる啓発運動に、試行錯誤しながら取り組んだ。

「女性の育休取得者はほぼ100%なのに、男性は1割未満しかいない。当事者にヒアリングしてみたら、男性が育休を取れるという事実を、ほとんどが知らなかったんです」

だが、知っていても取らない男性もいる。その理由を調べたところ多く挙がったのは、「周囲に男性の育休取得者がいない」「同僚や得意先に迷惑がかかりそうだ」という声。