1カ月あたりの医療費は、高額療養費で抑えられる

なお、がんで入院し、手術を受けても、保険診療の範囲内であれば、100万円単位の大金がドンと出ていくことはない。それは、健康保険や国民健康保険といった公的な医療保険に「高額療養費」という制度があるからだ。

高額療養費とは、病院の窓口で支払う医療費が月々の限度額を超えた場合に、超過分のお金が払い戻される仕組みのこと。自己負担の限度額は所得などに応じて決まるが、例えば、標準報酬月額28万~50万円の人は月8万円強となっている。

この制度があるため、仮にがんの入院・手術で100万円かかったとして、公的な保険適用後の自己負担分(70歳未満・3割自己負担)は30万円となるが、実際の支払いは8万円強で済むわけだ。

がんの通院治療は、治療の内容次第で、医療費の月額が何カ月も連続して高額に及ぶこともある。その場合、もちろん高額療養費が適用されるが、直近12カ月で3回以上高額療養費の支給を受けると「多数回該当」となり、限度額がさらに引き下げられるのも心強い。