▼ほかにもこんなことにお金がかかるかも?

【差額ベッド代】
 大部屋が安いということはわかっていても、やっぱり個室で落ち着いて治療したい、という人も多い。差額ベッド代は病院や選択する部屋などでマチマチだが、平均は1日6000円前後。

【タクシー代】
 体力が落ちるため、タクシーに乗る機会が増えがち。自宅、および勤務先から遠い病院に入院・通院することになったら、自分や家族の公共交通機関の交通費もかさんでくる。

【ヨガ・サプリなど健康維持費】
 がん再発リスクを低減するには、健康的な食生活や運動も必要。そのため、ヨガを始めたり、サプリを定期購入したりして、健康維持に努める人は多く、おおむね月数千~1万円前後の出費に。

【家事代行費用】
 病気になったら家事を完璧にこなせなくなるのは当然だが、それがストレスになるなら、QOL(生活の質)を維持するため、家事代行を頼む手もある。長期で頼めば数十万円単位の出費に。

【セカンドオピニオン費用】
 最初の病院だけでなく、別の病院でセカンドオピニオンを受けることもあるはず。セカンドオピニオン外来を設けている病院もあるが、基本的に自費診療(料金は病院により異なる)。

【かつら・ウィッグ費用】
 抗がん剤治療の副作用で髪の毛が抜けてしまうケースが多い。その場合、ウィッグ等は必需品。商品にもよるが数千~数十万円の費用がかかる。自治体によって補助制度がある場合も。

※数字は編集部が算出した概算。70歳未満の人のケースを想定し、健康保険・国民健康保険の自己負担割合は3割。高額療養費・多数回該当は年収約370万~約770万円(標準報酬月額28万~50万円)の人を想定して計算。なお、2018年4月から診療報酬が改定されているが、18年4月時点で「がん治療費.com」には未反映。

黒田尚子(くろだ・なおこ)
CNJ認定・乳がん体験者コーディネーター
1969年、富山県生まれ。FP兼がんサバイバーとして、がんなどの病気に対する経済的備えの重要性を訴える活動を行う。近著に『がんとわたしノート』(Bkc)。