足骨格のゆがみを正して快適な歩行に

▼こんな人は相談を!
・真っすぐ立つと土踏まずと床との間に隙間がない。
・足裏や足指にたこ・うおのめがある。
・はだしで片足立ちするとフラフラする。
・靴底が左右非対称にすり減る。
・フラットな靴よりもハイヒールを履くほうがラク。

外反母趾(ぼし)や扁平(へんぺい)足、たこ・うおのめ、巻き爪など、足のトラブルには痛みや変形を伴う。疾患名はさまざまだが、その原因のほとんどは「足そのものの構造上の問題」。女性の足のトラブルは男性の4倍といわれており、桑原先生は、「女性は靭帯(じんたい)組織や関節構造が柔らかく、足の基本構造がゆがみやすい。足に負担のかかる靴を長時間履くのも原因の1つ」と説明する。年齢とともに膝の痛みなどにも進行しやすいため、足の疲れや痛みを放置するのは危険だ。

クリニックでの治療は、足骨格のゆがみの度合いや運動機能を検査するところから始まる。そのうえで外科的治療や、足骨格を正しく支えるインソールの使用、ストレッチ方法などを指導する。市販のインソールを使うなら、形が崩れにくく、土踏まずの部分が立体的なものを選ぶとよい。ストレッチをしてアキレス腱(けん)やふくらはぎを伸ばし、股関節を柔らかく保つのが効果的だ。特にハイヒールがラクという人はアキレス腱が縮んでいるからしっかりと伸ばそう。

欧米には「足病学」という分野があるが、日本では足の専門外来は珍しい。毎日の快適な歩行のためにしっかりメンテナンスを。

1.2.診察室で足骨格のゆがみの度合いを診断。足のトラブルには遺伝的な要因も。3.外側縦・内側縦・横のアーチのゆがみが足トラブルのもと。正常な位置に保つことで、きちんとした歩行ができる。4.間違った靴選びは足の負担に。靴は、もともと左右に倒れやすいかかとに安定感があり、足首を固定できるものがベスト。ヒールは4cm以下なら負担が少ない。


教えてくれた人=院長 桑原 靖先生
足の一般外来・こどもの足外来・フットケア外来 医療法人社団 輝幸会 足のクリニック 表参道

東京都港区南青山5-6-24 南青山ステラハウス3F 電話03-6434-1082 (診)月~土10:00~13:30、15:00~19:00 (休)日・祝(日は一部診療) ※予約優先
浜中聡子(はまなか・さとこ)
医療法人社団 ウェルエイジング ウィメンズヘルスクリニック東京 院長
米国抗加齢医学会ほか国内外の専門医資格を多数取得。心身両面からのアプローチで「ウェルエイジング」を提唱・実践する、女性頭髪治療の第一人者。悩める女性に寄り添った治療に定評がある。
 

林田健一(はやしだ・けんいち)
スリープ&ストレス クリニック 院長
日本睡眠学会評議員・認定医、精神保健指定医。慈恵医大附属病院などで睡眠障害の専門治療に幅広く取り組み、2007年にクリニックを開設。睡眠の観点から働く人のストレスケアにあたる。
 

桑原 靖(くわはら・やすし)
医療法人社団 輝幸会 足のクリニック 表参道 院長
埼玉医科大学病院形成外科で足の難治性創傷治療などにあたり、その後クリニックを開院。足に関する各分野の専門医とスタッフによるチーム医療を展開し、足の総合的な治療とケアを行う。
 

撮影=田子芙蓉、末松正義