睡眠の質を上げるコツは何か。数多くのビジネスパーソンのスリープコーチを務める角谷リョウさんは「誰にでもできる身近な方法がある。それは“幸せホルモン”と呼ばれるセロトニンの分泌を促すこと」という――。

※本稿は、角谷リョウ、サトウ未来『働く女子のための睡眠革命』(光文社)の一部を再編集したものです。

人工知能のコンセプト
写真=iStock.com/metamorworks
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幸福は「3段重ね」でできている

まずは結論からお伝えします。

あなたの人生のモヤモヤを振り払い、元気ハツラツで幸せな毎日を手に入れるたったひとつの答え。

それは、「セロトニンを出す」。

ただこれだけ! 今日からつらいとき、眠いとき、何かにチャレンジしているとき、幸せってなんだっけ? と遠い目で思ったら「セロトニンを出す!」と唱えてください。とにかく基本にして最大の目標、そして最適解である「セロトニン」の5文字を脳に強く焼きつけましょう。

さて、いきなりですが「幸福には種類があり、3つの段階を順に追うことではじめて得られる」とご存じですか?

【図表1】幸せの三段重理論
出典=『働く女子のための睡眠革命』(光文社)より

簡単にいえば、種類の違う3つの幸福を3→2→1と順を追ってかなえていくことで、はじめてすべてが手に入る――これは精神科医・作家の樺沢かばさわ紫苑しおん氏が提唱した考え方で「幸せの三段重理論」と呼ばれています。

「セロトニン」「オキシトシン」「ドーパミン」はそれぞれ脳内の神経伝達物質で、別名“幸せホルモン”とも呼ばれます。これら3つのホルモンがしっかりと分泌されてこそ真の幸せを感じられている状態で、それをかなえるためには優先順位があるというわけです。

“自分ファースト”に生きるのが最短ルート

仕事ができても、家庭が崩壊していたら意味がありません。家族と仲よしでも、健康をないがしろにしていたら長い時間をともに過ごせません。そもそも健康でなかったら、人間関係を築く余裕も仕事に精を出す底力も生まれません。

真の幸福を手に入れたいなら、何をおいてもあなたの心身をリカバーすることが最優先なのです。

多くの人が間違いやすいのが、この「順序」。

現代女性の多くは、今おかれた環境で「仕事の結果を出したい」「忙しくても家族を大事にしたい」……そう願っています。

だからといって「私が身を削って仕事・家事・育児・介護をがんばりさえすればいい」は、本当の解決策にはなりません。

「自分が心身ともに健康である」ことこそが第1段階で、それをクリアしなければ、家族との関係も、仕事での成功も手に入れることはできない。

つまり、すべての幸せを手に入れる最短ルートは“自分ファースト”に生きることなのです。