セロトニンを出すには「順序」がすべて

そんなセロトニンを分泌しやすくするポイントは3つ。「環境づくり」「腸活」「温活」です。

前節で挙げたのはほんの一例ですが、これから紹介するアイデアは、おそらく目新しいものではないはず。なんなら過去に試したことがあるかもしれませんね。

でもそれ、今も継続できていますか? できているとしたら、それらのおかげでぐっすり眠れていますか?

「健康によさそうだからやってはみたけど、効果がよくわからないからいつの間にかやめてしまった」……たいていはこのパターンではないでしょうか。

なぜいまいち変化を感じられなかったのか。それは「順序」を気にしていないからです。

またもや出ました「順序」!

先ほどの「幸せの三段重理論」と同じように、じつは「セロトニンを出すための3つのコツ」にも優先順位があるのです。

【図表2】「セロトニンを出すコツ」の優先順位
出典=『働く女子のための睡眠革命』(光文社)より

この順で行わなければ意味がありません。期待した効果も出にくいでしょう。

3~4割は「環境づくり」で解決する

まず真っ先にすべきは、ぐっすり眠れるような「環境づくり」。

なぜなら「モノを買い(替え)さえすればいい」のですから。心身ともに疲れていても、着手できそうですよね。

眠れる環境が整って気力・体力が少し回復したら、次は「腸活」へ。腸は脳と密接に結びついているため、早い段階で腸内環境を整えることが、セロトニン分泌のカギとなります。

そうしてさらに体力・気力が復活してきたら、いよいよ「温活」。体温を調節する機能を取り戻し、体内リズムにメリハリをつけて、セロトニンをしっかりと出せるようにするのです。

この「順序」を知らないと、どれも中途半端に終わるパターンにハマってしまいます。幸福への道すじは“点”ではなくつながった“線”で、進むべき順序があるととらえてくださいね。

角谷リョウ、サトウ未来『働く女子のための睡眠革命』(光文社)
角谷リョウ、サトウ未来『働く女子のための睡眠革命』(光文社)

セミナーでお伝えすると、睡眠に不調を抱える人の3~4割がこのSTEPだけで安眠できるようになる、まさにお手軽にして最強のエントリーコースが「環境づくり」。

しかも正直、このSTEPがいちばん楽しいし、いちばんラク。ここだけの話――「健康のためだから!」と堂々とモノを買えるって、オイシくないですか? ここではまず“楽しさ”をじゅうぶんに味わってください。

すると、次のSTEPに進む気力がわいてきます。セミナーを通しても、疲れはててゾンビ状態の女性が環境を整えていくうちに笑顔に変わる、その過程をたくさん見てきました。くり返しますが、これがセロトニン分泌の第1歩です!

角谷 リョウ(すみや・りょう)
スリープコーチ

上級睡眠健康指導士、日本睡眠学会会員、日本認知療法・認知行動療法学会会員、日本サ ウナ学会員。ライフリー株式会社を立ち上げ、NTTドコモ、サイバーエージェントなどの法人を中心に、14万人の睡眠改善をサポートしてきた実績をもつ。短期間かつ高確率(受講者の90%以上)で効果を感じられる実践法を得意とする。最近の趣味は瞑想。瞑想でアルコール依存症を克服し、月2回・適量飲酒にまで改善した。

サトウ 未来(さとう・みく)
スリープコーチ

上級睡眠健康指導士、日本睡眠学会会員、アクションラーニングコーチ、フランス式アロマテラピー上級講師。パーソナルトレーナーを経てライフリー株式会社の共同代表となり、8万人の睡眠改善をサポートしてきた。「今日から楽しく、即実践できる」メソッド提供を得意とする。趣味は、根性を必要としないセルフケア、回復法の研究。プライベートでは1児の母となり、子供との睡眠で本メソッドをフル活用中。