「話し方が怖い」と言われる人は直球型

日常では、これら3つの声の届け方をすべて場面によって、うまく使いわけるのが上級編です。最初は拡散型の声で元気に明るく登場し、核心に迫るところでは直球型の声で話す。

「そうはいっても、みなさん信じられないですよね」などとネガティブ気味のところでは、わざと落下型の声でしゃべる。そのあと「でも、ご安心ください!」とまた拡散型の声に戻る。とはいえ、いきなり上級編は難しいので、まずは一文一息を直球型の声で実践してみましょう。このときの注意点は、飛距離が足りず相手に届く前に落ちてしまい、“落下型”にならないようにすること。物腰柔らかく言っているつもりが、落下型になっているという女性が多いので気をつけましょう。

このように、自分の声がどのような軌跡で相手に届いているかを意識するのが“声の見える化”です。実際に同僚や友人に自分がどのタイプか教えてもらうのもよいでしょう。たいてい「声が小さい」と言われる人は落下型ですし、「話し方が怖い」と言われる人は直球型。「元気だ」と言われる人は拡散型です。

18年はぜひ“声の見える化”を意識して、自分の意気込みを周囲に直球ストレートの声で届けてください。あなたの目標を応援してくれる人が増えるはずです。

矢野 香
スピーチコンサルタント
長崎大学准教授。NHKキャスター歴17年。心理学の見地から「他者からの評価を高めるスピーチ」を研究し、博士号取得。政治家、経営者からビジネスパーソンまで幅広い層に信頼を勝ち取る正統派のスピーチやコミュニケーションを伝授。

構成=池田純子 イラスト=アヤコオチ 写真=iStock.com