社内プレゼンで、企画をなかなか通せない。どこに問題があるのか。コピーライターの荒木俊哉氏は「社内プレゼンをする企画は、あなた自身が考えたもの。だからこそ、企画の大事なポイントは、企画を考えた自分が一番わかっている。ついそう思いがちだが、その大事なポイントが的確に言語化できているかは別の話だ」という――。

※本稿は、荒木俊哉『瞬時に「言語化できる人」が、うまくいく。』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。

会議のプレゼンでモニターに目を向ける人たち
写真=iStock.com/fizkes
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「言語化力」が低いと企画は通りづらい

「言いたいことが、うまく言葉にできない」

そんな悩みを持つ人は「言語化力」を磨くことで、その悩みが解決されます。そして、「言語化力」は適切なトレーニングを積むことで、誰でも鍛えることができます。ここでは、具体例を基に「ペン」と「紙」を使ったメソッドを紹介しましょう。

このトレーニングでは、A4の用紙に自分への「問い」を立てて、それに対する自分が「どう思うか」「それはなぜか」を書いていきます。

「企画書」をテーマにした言語化力トレーニングを一緒にやってみたいと思います。必要のないプレゼンはほぼ皆無といっていいほど、ビジネスを進めていく上で欠かすことのできない企画書。どれだけ素晴らしい企画を考えたとしても、しっかりと言語化して企画書に落とし込めなければ、プレゼン相手にその素晴らしさを伝えることはできません。

さらに、企画に込めたあなたの思いも、言語化できなければ相手と共有できません。ここからは、あなたが普段、上司と企画書の内容のやりとりをしているシーンを思い浮かべながら読み進めてみてください。

【企画書】相手に伝わる企画書とは何か?

あなたは今、会社の会議室で上司と向き合っています。来週のクライアントへのプレゼンに向けた企画書の内容についてチェックをしてもらうためです。

表情ひとつ変えずにあなたが書いた企画書にゆっくり目を通していく上司。会議室には沈黙の時間が流れています。

今回の企画は、以前からあなたがどうしてもやりたかったもの。何日もかけて企画書を仕上げてきましたが、自分の頭の中がきちんと表現されているのか、あまり自信はありません。

この企画に対するあなたの思いを知っている上司は、企画書に一通り目を通すと、こう質問してきます。

上司「企画書ありがとう。前からやりたいって言ってたやつだよね?」
あなた「はい」
上司「私は内容についてはもう何度も話を聞いているから理解できるけど……」
あなた「はい……」
上司「この企画書でクライアントにちゃんと伝わるかな」
あなた「……」
上司「もっと相手に伝わる企画書にするにはどうしたらいいと思う?」

相手に伝わる企画書とは何か。もしあなたがそんな根本的な質問をされたら、何と答えますか?

企画書を書く機会の多い方なら、普段から何となく自分の中で大切にしていることがあると思います。せっかくなので、今回メモに書き出してみることで、確認の意味も含めて一度言語化してみましょう。では、書き出してみてください。