息が切れたら、そこで言い終わることをおすすめします。とにかく一文をしゃべりだしたら息継ぎしないことです。たとえば「今年は自分を磨いてもっとスキルアップできるように頑張ろうと思っていてたとえば……」とここで息が苦しくなったとします。そのときは「たとえば」で止めてしまいましょう。そうすると相手は「たとえば何?」と、聞いてくれるでしょう。そうしたら、話を続けて「英語を身につけたいと思ってるんです」と、1つの息で1つのセンテンスを語ります。

しゃべっているときに息を吸わないということを意識しながら続けていくと、ふだん自分がいかに息を吸いながらしゃべっていたかということを自覚できるでしょう。このように一息でしゃべることで、結果的に一文50文字程度にまとまり論理的な話し方にもなります。

新年は、ぜひ自分の今年の目標や志をこの“一文一息”で言い切りましょう。イメージは大声大会。声の大きさを競って叫ぶ大会で「○○さんが好きだー!!」などと言っているニュースを見たことがありませんか。これが本気で言っているように聞こえるのは、一息で声がのっているからです。もし「○○さんのことがー好きなのでーよかったらー僕とーつき合ってくださーい」と長く叫んだらどうでしょう。まず声の大きさも小さくなってしまいますし、自信がなさそうに聞こえます。

相手に「直球」を投げ込むように話す

そのときに、ぜひ意識してほしいのが“声の見える化”。口から出た声が、ボールのように軌跡を描いて相手のところに届いている、そんなイメージで話してほしいのです。この声の届き方には3パターンあります。

1つ目は声が全方位に広がる“拡散型”です。声が大きくすごく元気よさそうに聞こえるのが特徴です。しかし残念ながら聞こえているだけで、相手の心には届きづらい声です。これは司会者や学校の先生など人前でしゃべり慣れている人に多いタイプです。

2つ目は“直球型”。これこそ新年の宣言にぜひ使っていただきたい理想の声です。相手に直球で声を投げるイメージです。

最後の1つは、最後に声が小さくなって相手に届かない“落下型”。ここでは論外ですね。声の届き方はこの3つのタイプにわかれます。

イラスト=アヤコオチ