伝える内容は同じでも、グラフの使い方、表現のしかた次第で、効果は天と地ほども違います。第一線で活躍する株式調査アナリストに、説得力があって、わかりやすいグラフづくりのテクニックを聞きました。

グラフは1度つくったら終わりではない

株式調査アナリストとして、日々さまざまな場面でプレゼンを行う佐藤有さん。いろいろな資料をあれもこれも見せたくなるが、まず伝えたいことを整理してサマリーをつくってからグラフづくりにとりかかる。

「グラフを何種類もつくってみて、どれが一番伝えたい内容に合っているか、どうすると見やすくなるかを考え、何度も試行錯誤しながら手を動かして大きさや軸の設定を変えたり、色を工夫したりします」

説明したい内容を一覧できるように、グラフを1ページに1点ずつ載せて説明するのではなく、1つのグラフに情報を追加できる場合には、なるべく1つにまとめるように工夫することも。「つくった資料で実際にプレゼンをしている最中に『あ、こうすればもっとわかりやすかったな』と気づくこともあります」。

相手から「こうなったのはなぜですか」と質問されたら、次に別の場で同じ資料を使う際には、指摘された要素を改善してグラフをバージョンアップするなど、「グラフは1度つくったら終わりではありません」と佐藤さん。今回教わったテクニックを参考に、説得力のあるグラフをつくってみてほしい。

グラフをつくるときの大前提