「低空飛行の時間」がくれたご褒美
大学職員とベリーダンサー講師のWワーカーは、佐々木ルリ子さん。
「気がつけば43歳。冷や汗と脂汗しかかいていない! これではいけないと思って……」
気持ちのいい汗をかくため、ベリーダンスを習い始めて10年。姑に「いやらしい」と言われて意気消沈したこともありましたが、晴れて、53歳で講師になりました。
「10年後の目標は、アラブの楽器・ウードをマスターして教え子たちの踊りに合わせて演奏することです」
日本航空のCAとして海外を飛び回っていた大塚裕子さんは、お子さんのアトピー治療のため、会社を辞めて山梨移住を決意。42歳で、食品会社のパートに採用されます。
「営業の仕事は初めてだったので、入門書などを読みあさって勉強。なんとか新規契約をとれるようになりました。でも、パートの意見はほとんど聞いてもらえなくて」
専門のスキルがほしいと、アナウンススクールに通って県内の結婚式場での司会業をゲット。ほかにも、観光会社のコンシェルジュや語学学校の講師など、精力的に仕事をこなしてきました。
「子供たちを無事に育て上げたい」という思いで走ってきた大塚さんは、さらに今後、新しい仕事に挑戦する予定です。
「オシャレな場所で働きたい!」という自分の気持ちに素直になって、夢を実現したのは平良円乃さん。栄養士の資格を生かして中学校や保育園で働いていた平良さんは、だんだん将来への不安を感じるようになりました。
「これからずっと、白衣を着て給食をつくる毎日。このままでいいのかな……」
憧れのカフェへの転職を果たして、現在は全体のマネージャーを任されるまでになりました。仕事が楽しすぎて、結婚するのをやめてしまったこともあるほど充実した毎日だそうです。
特集でお話をうかがった50人の“ワーキングウーマン”は、みなさん笑顔で過去を振り返ってくれました。彼女たちには共通点があります。それは、キャリア実現のカーブが上昇を描く前に「じっと我慢する、低空飛行の時間」があったことです。
読むだけで勇気が出る1冊です。ぜひご一読ください。
写真=iStock.com