「中朝間に関係改善の対話」があった?

朝日社説はトランプ批判を展開したいのだろうと予想しながら読み進むと、案の定である。

「米朝間で核・ミサイル実験の凍結をめぐるやりとりがあったとの米国の報道もある。さらに今月の米中首脳会談や、中国特使による平壌訪問という最近の動きも絡み、何らかの水面下の駆け引きが進められているとの臆測が出ている」
「真相は見えず、薄氷を踏むような状態ではあるが、北朝鮮の行動が表面上、激しさを潜め、少なくとも中朝間の関係改善の対話があった事実は、前向きにとらえることもできる」

こう書き進めたうえで「そうした機運が生まれていた中でのテロ支援国家再指定である。その影響がどのような形で表れるかは予断を許さない」とトランプ米政権を批判する。

後半では北朝鮮への圧力強化について「あくまで対話に導くための手段にすぎない」とお得意の論を展開し、さらに「中東やアジア歴訪で見せた一貫性のないトランプ氏の対外姿勢が、ここでも不透明感を漂わせている」とトランプ批判を続ける。

朝日という新聞はトランプという男がとことん嫌いなのだろう。

なぜこれほどトランプ大統領を嫌うのか

なぜ、朝日新聞はこれほどまでにトランプ氏を嫌うのか。

簡単にいえば、トランプ氏は共和党であり、左派である朝日とはスタンスが大きく違うからだ。それにアメリカという大国の大統領だ。トランプ氏は世界最高の権力者といっても過言ではない。しかも個人としても金持ちである。

ジャーナリズムの基本的精神は、権力に対抗するところにある。朝日はこの姿勢を読者にアピールしたいがためにトランプ氏を敵視するのだろう。

さらにトランプ氏はホワイトハウスの記者会見などでワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズなどが自分の意に反することを記事にすると、「フェイク(偽)ニュースだ」と罵倒している。こうしたトランプ氏の言動も、朝日のジャーナリズム精神に反するものだ。

それゆえトランプ大統領と太いパイプを作り上げ、蜜月の「シンゾー=ドナルド」ラインを築き上げた安倍晋三首相も嫌うのだろう。

ただ日本の外交上、米国と仲良くやることは肝要なことだ。社説担当の朝日の論説委員たちも、そのあたりはわかってはいるようだが、社のスタンスを考えると、どうも難しいらしい。