社長にとって、何より大切な情報源とは?
(5)日本のテレビが報道しない海外情報は、記名記事の海外雑誌日本版を参考にする
2015年1月にパリで風刺週刊紙のシャルリ・エブドがイスラム過激派に襲撃され12名が殺害された事件や同年11月のパリ同時多発テロで120名以上の方々が亡くなった事件はマスメディアが大規模に報道し、ツイッターにも多くの投稿が行われた。フェイスブックでは哀悼の意を示す機能を提供したところ3日間で1億2000万人以上が利用している。
その一方、2017年10月14日に起こったソマリアの首都モガディシオで起きた爆弾テロでは300名を越える犠牲者が出たが、テレビをはじめとする日本のマスメディアの注目度は非常に低かった。またパリ同時多発テロの前日にレバノンの首都ベイルートで連続自爆テロが発生し40名以上が亡くなっているが、やはり大きく報道されなかった。
ヨーロッパやアメリカの事件はメディアが注目するが、アフリカ社会やイスラム圏の動向は報道されることが少なく、ソマリアのようにインターネットが普及していない国ではネット経由で情報が拡散されない問題もある。日本国内では中国や韓国の報道は多いが、その他のアジア諸国の報道は限られている。
日本にいながら世界の動向を把握する必要があれば、ニューズウイーク日本版が参考になる。どの記事も記名記事で掲載されており、情報発信者を特定できる。
(6)専門家のブレーン、ビジネスパートナー、異業種の年下の友人から新たな情報や視点を得る
経営者の力量と判断力を決定づけるのは、やはり有能な人材との人的なつながりだ。仕事や経営者向けセミナー・研修を通じて面識を持った専門家、ビジネスをする上で欠かせないビジネスパートナーや協力会社の担当者や経営者、異業種で専門性を発揮し自身にはない知見を持つ年下の知人や友人などは、大切な情報源だ。
有能な人は、かならず有能なブレーンを擁している。彼らは「利」でなく、「知」や「情報価値」でつながっている。相手が求める情報や知恵をこちらもが惜しみなく提供すれば、自分が必要なときには相手が支援してくれる。利のつながりは金銭やメリットがなくなれば霧散するが、知や情報価値を持つ者同士なら関係が途絶えることはない。
大切な人たちにいつでも惜しみなく知と情報を提供していれば、相互の関係が切れることはない。貴重な情報を絶えず提供できる経営者には、必ず重要な情報がもたらされる。経営者が価値ある情報を発信できる情報源になることが、自身の情報価値と存在価値を高めていくのだ。