若手経営者よりベテラン経営者が苦しい状況にある
独立行政法人 中小企業基盤整備機構・経営支援情報センターが発表した「中小企業経営者の経営情報の収集・活用に関する実態調査」(2013年)を見ると、今後経営者はどのような情報源を重視し、どう情報を集めて分析し、経営判断を下すべきかが予測できる。4年前のデータだが、現在著者が経営者と接するなかでの実感と大差がないので、紹介したい。この調査結果のサマリーから現状の実態を見てみよう。
調査対象となった経営者の経営状況を自己申告だが見てみると、「大変順調である」「まあまあ順調である」を合わせた「経営状況が良好と感じている」企業は18.4%。「やや苦しい状況である」「大変苦しい状況である」を合わせた「経営状況が苦しいと感じている」企業が56.4%となった。経営状況が厳しいと感じている経営者がおよそ6割を占めているわけだが、業種別に見ると、経営状況が苦しいと感じている比率は「小売業」が最も高かった。
注目したいのは経営者の年齢別の経営状況で、20代から30代の経営者が牽引する企業は比較的良好なのに対し、70代の経営者は苦戦している点だ。中堅中小企業の経営状況は、経営者の年齢によって二極化しているが、その遠因として「情報収集と分析」に問題がある可能性に気づく。
続いて、経営者の情報に接する状況を詳細に見てみると、以下のようになる。