×あるあるNG資料
【bad!】平凡でありきたりな自己紹介
スーツ姿の写真に文字だけの自己紹介は、平凡すぎて革新的なイメージとはほど遠い。もっとも役所や教育機関などへプレゼンする場合はこちらのほうが真面目さをアピールできて好印象な場合も。ケース・バイ・ケースで使い分けるといいでしょう。
【bad!】グラフがないので意味がつかみにくい
中村さんがつくったスライドは、これから不動産の二次流通市場が伸びていくということを棒グラフで示しています。しかしこの悪い例ではグラフを使わずに、イメージ写真に頼ったことで、論理的な説得力が弱まってしまいました。
【bad!】工夫が感じられないフリー素材のイメージ写真
札束のイメージ写真を入れていますが、これではあまりに安直すぎるし、品がない。業務提携で「握手しているビジネスマンの写真」を使うのも使い古された印象です。フリー写真を用いるなら、見る人をハッとさせるような新鮮な表現に工夫したいもの。
中村さんがプレゼンの参考によく見るのが、TEDの動画。さまざまな分野で活躍する人たちがカンファレンスに参加し、プレゼンを行う様子をYouTubeなどの動画サイトで見ることができる。ほとんどのプレゼンは英語だが、なかには日本語の字幕もあり。話の展開、スライドの書き方、身振り手振りなどが学べる。
▼こまめに写真を撮っておく
中村さんのスライドには中古物件で楽しそうに暮らす人たち、社内スタッフの集合写真など、自分たちで撮った写真が頻繁に登場。グラフや文字ばかりでは疲れてしまうので、合間に写真を入れてリズムをつくっている。「こんな写真ほしいな」と思ったらすぐ使えるよう、写真のストックを用意しておくと便利。
▼ストーリーは手を動かしながら考える
「概念を整理するときは、いつも手書き」という中村さん。話したいテーマを白紙の中央に置いたら、マインドマップをつくる要領で、「どんな言葉で伝えるか」「どんな資料があればいいか」というように、外側へ向けて枝を伸ばしていく。スライドに落とすのは、全体の構造が決まってから。
ツクルバ 代表取締役CCO。東京工業大学大学院で建築を学び、2011年にツクルバを村上浩輝さん(CEO)と共同創業。中古物件のオンラインマーケット「カウカモ」が16年のグッドデザイン賞を受賞。
監修プレゼンテーションクリエイター/書家。ソフトバンク在職中、孫正義氏の後継者育成機関の第1期生に選考され1位を獲得。孫氏のプレゼン資料づくりも数多く担当した。著書の『社内プレゼンの資料作成術』シリーズは11万部を超えるベストセラー。
編集=福田 彩 撮影=真板由起