夫婦の意識を変える施策も必要?
【二十軒】ただ、配偶者控除が廃止されたとしても、夫婦が平等に働き平等に家事をすることになるのかという疑問も。うちは共働きで収入もあまり変わらないのに私のほうが家事を多くしていて不満に思うこともあります。
【鈴木】うちも夫婦共働きで、小学生の子どもがいますが、夫が稼ぎ頭で忙しい。例えば、夫が学校行事のために何日も休めるかというと、実質的に難しいですね。
【小熊】私は子どもが5人いるので、息子たちが小さい頃、フルタイムで働こうなんて思いませんでした。というか、どうしたって無理ですよ(笑)。
【鈴木】わかります。私は今、仕事と子育ての両立で、あたふたすることが多いので、主婦の人はたいへんな労働をしていると思う。
【橋本】私にも小学生の子どもがいます。残業のときは夫が子どもを見ているので、実感として働きながら子どもを育てるのもそんなにいばらの道ではないと思うんですが、恵まれているほうなのかな。
【小熊】家庭にはいろんな形があるのだから、一つのワクに当てはめようというのはナンセンスですよね。もっとフレキシブルなサポートがあるべきだと思います。
平成生まれは価値観が違う
【二十軒】それにしても、配偶者控除を受ける女性が約1500万人もいる事実に驚きました。まだまだ控除廃止が受け入れられる世の中じゃないということなんですよね。まず、女性が働くことへの理解を深めないと……。
【小熊】その点、うちの子たちを見ていると、平成生まれは違いますよ。夫婦共働きで、うちの息子がご飯をつくっていますから。
【橋本】うちの会社の20代も、夫が料理担当という家庭があります。性役割意識の変革は若い世代が成し遂げるのかも?
【一同】平成生まれに期待(笑)。
【橋本】若い世代をサポートするためにも、政府には社会保険も含めた配偶者控除の見直しを引き続きお願いしたいですね。
「配偶者控除」について下記により要望いたしますので、よろしくご配意賜りますよう、切にお願い申し上げます。
(1)妻ではなく、子どもがいる世帯をどーんと優遇すべきです
子どもを預けられない環境、家のことは女性がやるべきという風潮の中で、103万円の壁が150万円に変わったところで、女性の働く意欲は高まりません。子どもへの投資、子育てへのサポートを増やすべきです。
(2)もっと働く女性を増やす施策を先に
フルタイムで働く女性が半数に満たない現状で、配偶者控除を廃止しようとしても反発が高まるばかり。先に他の方法で女性がフルで働きやすい環境を整えてから、税制を変えるべきでは。
以上 座談会参加者 一同