森島さんは「子どもたちにとってのキャラクターの魅力が全然違うのに」と思いながら、消費者調査やオープンになっているキャラクターの訴求力データを見せて了解を得た。ところが……。
「私の上司と当時のアンパンマンの商標管理会社とが意気投合してしまって(笑)、ふりかけだけでなく、いろんな商品にアンパンマンを使ってほしいと話が大きくなってしまったんです」
自分の商品開発だけでも精いっぱいなのに、グループ会社にまで「アンパンマンを使ってください」とお願いして回ることに。
その後、93年に食品部に異動し、9年間のうち7年間はマヨネーズ、後の2年間はコンソメの商品開発を担当した。マヨネーズ時代にまたもや、おっちょこちょいが顔をのぞかせる。
「包装材にポリプロピレンと記すところがプロポリピレンになっていて、そのまま印刷し、全部刷り直しになって怒られました」
コンソメを担当していた2001年9月は狂牛病が社会問題になり奔走。急きょチキンを原材料にしたコンソメを開発する事態に。
「1月の新商品発表まで時間がなく物理的には大変でしたが、関係者全員に何とかしなければいけないという連帯感があり、チームワークで頑張れました」