会社と社会の間で奮闘する5人の広報ウーマンが集結。周囲からはあまり見えない日々の地道な仕事から、火事場の火消し対応まで語りつくします。
謝罪会見、デマ対応……緊急事態発生!
【井田】実はわが社に広報専門の部署ができたのは、お客さまが商品の使い方を誤ったために3歳のお子さんが亡くなった事故がきっかけ。当時私は社長室にいたんだけど、マスコミから「会見をしないんですか」「商品を見せてください」という電話がじゃんじゃんかかってきて、その日の夜9時に急きょ記者会見を開いたということがありました。それでちゃんとした広報室をつくろう、ということになったんです。
【小谷】嵐の中でのスタートだったのね。
【井田】ある事業が行政指導を受けて、撤退することになったときも会見を開きましたね。でもそのときは社長以下全員トレーニングをして臨みました。
【小谷】そういう記者会見のとき、どんなふうに振る舞えばいいのかを指導してくれる専門の会社があるのよね。
【井田】この質問にはこう答えましょうとか、お辞儀の角度は何度がベストだとか、細かく教えてもらいましたよ。
【小谷】私は前の会社にいたころ、「噂の真相」っていうゴシップ誌に、会社が関わっていたプロジェクトの裏側を暴く、みたいな記事を書かれたことがあるわ。あのときは大変だったなあ。
【横山】私もいまの会社に入ってすぐ、デマが流れたことがあった。大雨で川が氾濫したのは、うちの子会社の手抜き工事が原因だっていうの。真偽はともかく、その会社はうちの子会社じゃないのに。
【小谷】そういうときはどうするの?
【横山】すぐに危機管理対策室を結成して火消し対策を打ちます。
【小谷】ぐずぐずしてると被害が広がるから、スピード勝負。残業や休日出勤でも文句は言えないよね。