人材コンサル会社・ジョヤンテの代表である川崎貴子さんと、コラムニストの河崎環さん。二人の“カワサキさん”が、自身の経験を交え「女性が働き続けること」について話し合います。モデレーターは、プレジデントオンライン編集部の吉岡綾乃。
子育てと仕事を両立できるか。私はいつ産むべきか。この人と結婚すべきなのか……? 働き方や生き方のさまざまな悩みに直面するアラサー女性たちに、40代・団塊ジュニア世代の3人が伝えたいこととは?
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「家庭マネジメント」は難しいが、やれば後が楽になる
――仕事と家庭を両立するのがキツくて、余裕がなくなっているワーキングマザーはとても多いですよね。日本人女性は世界で一番睡眠時間が短いらしいですよ。
【河崎環(以下、河崎)】女性の活躍を推進したいのであれば、まず女性像が変わらないといけないのに、変わらないから無理ゲーです。女性が仕事を持つと家庭がどう変わるかということを、みんなが柔軟に謙虚に見ていかないと。その柔らかさを持てるか、という話だと思います。
【川崎貴子(以下、川崎)】お母さんは「神聖な女」で何でもできる人になるのではなくて、育児リーダーや家事リーダーとして、もっと家庭をマネジメントしていった方がいいと思います。タスクを把握してちゃんと仕事を振る。仕事を振ったら、ちゃんと評価してあげる。
――それができるのはいいマネージャーですね。
【川崎】それができたら、次のミッションを与えて「君ならできるよ」って。そうやっていけばどんどん女性の時間が余ってくるのに、それをやっていない。ダメなお局ほど仕事を振らないんです。教えている時間があるなら私がやるわって。そうやって自分でやっていたらプリプリして機嫌が悪くなってしまう。「なんで私と夫は対等なのに、私が育てないといけないの?」って言うけど、いやいや、育てればあなたが楽になるんだよっていう話を延々としたい。
【河崎】私の場合は、夫を育てるのがすごく下手でした。彼は新入社員のときにすでに妻がいる、扶養家族がいるという状況だったので、私が足を引っ張っちゃいけないから「私が頑張る、あなたは忙しいもんね」って、お弁当とか作ってました。そうやって私が家事をすべてやるスタイルができていたけど、あるとき「このままでは私自身もやってられないわ」って気付いて、それから権限委譲するようになりました。今は、目の前に洗い物があったらやってくれるようになった、15年かかったけれど。
【川崎】15年後に育つってすごいですよね。
【河崎】はじめのうちからそれができる力がなかったですね。
【川崎】ないですよ、普通。