改正男女雇用機会均等法が施行されて20年。当時より女性は働きやすくなったはずだけれど、働き方、そして生き方に悩みを抱える人は少なくありません。「女性が働き始めても結局家事と育児は女性負担のままだし」「私のロールモデルは一体どこにいるの?」……悩める20代・30代の女性たちから多くの支持を集めるのが、人材コンサル会社・ジョヤンテの代表である川崎貴子さんと、コラムニストの河崎環さん。お二人の対談から、その生きざまと現代を生きるための技術を学びます。
名前、年齢、身長など、いくつもの共通点がある2人のカワサキさんが、アラサー女性に伝えたいこととは? モデレーターは、プレジデントオンライン編集部の吉岡綾乃が担当。「女性が働き続けること」について、40代・団塊ジュニア世代の3人が自身の経験を交えて話し合いました。
決断を迫られるし無駄にモテる。アラサー女子は“山越え”の時期
――プレジデントオンラインは普段男性向けの記事がほとんどなのですが、今回は特別篇。川崎貴子さんと河崎環さんというW“カワサキ”さんに、女性のキャリアをテーマに話し合っていただきます。働き続けたいと考える女性にとって、結婚や出産といったライフイベントと、キャリアをどう両立するかは非常に大きな課題です。お二人はどうやって子育てしながら働き続けてきたのか、“産まなかった”女である私が詳しくお話を聞いていこうと思います。まずは自己紹介を兼ねて、それぞれの著書『愛は技術』と『女子の生き様は顔に出る』を紹介いただけますか。
【川崎貴子(以下、川崎)】『愛は技術』はまさにアラサー女性のために書いた本です。男性のことも私たち世代のことも一切考えずに。なぜかというと、一番悩んでいるのがその世代だからです。私は女性のキャリアカウンセリングをしたり、女性役員のいない会社に入ってメンター代行やコンサルをしたりしていますが、一番悩んでいるのがこの世代なんですね。
キャリアだけじゃなくて、体とか恋愛とか結婚とかについても悩んで、あっぷあっぷしている。自分のキャパシティー以上の情報がバーッと入ってきて、全部決断しなければいけないから。女性たち一人ひとりの相談に乗ってこれまで話してきたことをコラムにまとめたのが『愛は技術』です。
――『愛は技術』は文字通り恋愛や婚活に役立つ技術論で、内容が非常に実践的かつ具体的ですよね。
【川崎】ありがとうございます。アラサー女性から質問が多かった項目を、ぎゅっと集めてみました。
【河崎環(以下、河崎)】川崎さん自身が悩みながら、イバラの道を裸足で踏みしめながらここまで来たものを書いてらっしゃる。ものすごく共感しました。
【川崎】アラサー世代って自分の人生についての決断を迫られる時期だけど、モテてしまう時期でもあるなんですよね。同世代の男性や不倫オジサマから。いろんな“山越え”をしなければいけない時期でもあって。
【河崎】さまざまな壁がやってくる、いろんな穴にハマる時期……。
【川崎】アラサーの時期って自信がないんですよね。仕事は任されるようになってきたものの、自分が納得して勝ち取ったものかというと、そうではない。会社で「君がモデルケースに」とか言われて急に抜擢されて、「えっ? 心の準備できてない!」ってなる。自信がないままタスクが多いし、周りに相談する人もいない。やはり混乱すると思うんですよね。それを解決できないかなと思って書きました。