『女子の生き様は顔に出る』は“公然ストリップ状態”の一冊
【河崎】『女子の生き様は顔に出る』は、実は今日モデレーターをやっていただいている吉岡さんとの再会が出発点となった本です。吉岡さんとは、お互い中学生だった頃に演劇部の先輩後輩だったんです。私が海外にいた頃、Twitterでいろいろと気になる人を追いかけていたら、偶然吉岡さんのアカウントを見つけて。本名でやってらっしゃるし、アイコンを見て「吉岡先輩だ! 中学の頃のままじゃん!」って(笑)。うれしかったのでコンタクトを取りました。
しばらくして吉岡さんから「毎週連載で、“女性性”についてのコラムを書いてみない?」って言われたんですね。それはつまり、お互い40女になったけど、これまでどうやって生きてきた? っていうこと。「あ、私が今まで絶対に書かなかったことを書くんだ」って思いました。それまでは、“教育はこうあるべし”とか子育てとか政治経済とかについて書いてきて、どこか自分にウソをついていた。本当に書きたいものとは別に、「しっかりした河崎環」のふりをしていたところがあったんです。
【川崎】そういうところも私と環さんは似ているかも。
【河崎】毎週3000文字のコラムを書くとなると、ウソを書けなくなる。追い詰められて隠していられなくなって、公然ストリップ状態。全部自分が出ている、なんだったら粘膜まで見えているぐらいです(笑)。その連載をまとめたのが『女子の生き様は顔に出る』です。とんでもない内容の本になったんですけど、それゆえに思い入れも強い。ぜひ読んでいただきたいです。
【川崎】公然ストリップって、本当にわかる。私もずっと人材業の社長なので、恋だの愛だのっていうテーマは自分では書けなくて一切封印してました。ガチガチに、自分の中でそういう“決め事”がありましたね。個人的な相談には乗っていたけれど。それを40歳になって開き直って書いたというか(笑)。
【河崎】パブリックイメージとして「ちゃんとした人」「まっとうな人」でなければいけないというのがあって、でも隠し切れない何かが本当はある。隠し切れないなら、そこを見つめて論じていこう。そうすると意外に解放される。……されませんか?
【川崎】ですね。苦しいけれど解放されていく。私も(取締役を務める)ninoyaの社長から「このテーマで書いてくれ」と言われて戸惑ったものの、書いてみたら「なるほどもう一枚脱ぐか」って(笑)。恋愛や結婚をテーマにすると自分の事も赤裸々に書かなければいけなかったので。なので今、すごく共感しました。