図1/図2

図1/図2

プレジデント誌は7月、20~40代の独身男女2125人に対し、インターネットを通じて「震災後の結婚・家族」に関するアンケート調査を行った。

まず「震災後、結婚願望が高まった(まあ高まった)」とする割合は、女性全体で36.4%。年代が若いほど多く、20~30代女性では4割以上に達した(図1)。「早婚願望が強まった(まあ強まった)」とする女性も、20、30代でそれぞれ3割前後にのぼった(図2)。

図3/図4/図5/図6

図3/図4/図5/図6

恋人がいる20~30代の8割が「今の相手と結婚したい」と答えた(図3)のも、「今すぐ願望」の表れだろう。背後には、「結婚できない」ことへの不安もあるようだ。「自分が結婚できないのではないかと不安が高まった(まあ高まった)」とする30代女性は、35.0%と3人に1人以上(図4)。「おひとり様(独身でい続ける)不安」も、30代で53.0%が高まったと答えた(図5)。さらに、「子どもを持ちたいと思う気持ちが高まった(まあ高まった)」女性が、20代で約4割おり、(図6)9割弱がいずれは子どもが欲しいと答えている(図7)。

震災後、「一人は怖い」「早く結婚して子どもが欲しい」と考える女性が確実に増えているのだ。

中央大学文学部教授の山田昌弘氏は、「リーマンショック、無縁社会、そして大震災と、まさにトリプルパンチの状況が、不安感を増幅させた」と分析する。

図7

図7

「『結婚して経済的、精神的に安定したい』という以前からの女性の欲求に、震災が拍車をかけた格好。女性は子ども(出産)も、結婚や老後とセットで考える。『いざというとき自分を助けてくれる存在』として、子どもをイメージしやすい」

この結婚・出産願望の高まりについて、「震災の影響で、結婚がいったん『必需品』化した」と分析するのは、結婚情報サービス・オーネットのマーケティング部部長の西口敦氏。

「結婚は、今や先進国にとって、あってもなくてもいい『嗜好品』扱い。でも経済が落ち込むと、生活防衛の一手段として結婚は『必需品』化する」

一般には、男性より給与が低い女性のほうが防衛意識が高いから、結婚を必需品ととらえやすい、と西口氏。だが最近は、年収がさほど高くない30代前後の男性がキャリア系の年上女性と結婚するケースも増えており、男性にも少しずつ「必需品」志向が広がっていると見る。

図1~6を見ると、女性ほどではないが、結婚、早婚、子持ち願望ともに、男性も震災前より多少の高まりが見てとれる。おひとり様不安を感じる男性も、20、30代でそれぞれ3割前後いる(図5)。