上司も席も固定ではない新たな環境
転職してみたら戸惑いの連続です。
前は何でもしっかり決まっている会社でした。上司や席はもちろん固定だし、書類は何でもハンコをついて回します。ところが今度の会社は、座るところは毎日変わるし、プロジェクトが変われば上司も変わります。1つのプロジェクトが終わると、次に何をやるかは自分ではわかりません。突然、「こんな案件があるんだけど、これから新幹線に乗って来てくれる?」という感じです(笑)。
すべてが新しい環境でした。
上司から、新しいプロジェクトに取り掛かるときは、クライアントの業界に関する本を何冊か読み、同業他社の事例を徹底的に調べ、相当インプットしたうえでお客様の前に立ちなさいと言われました。
転職初期で苦労した仕事の一つが、海外メーカーが本国で用いている製造プロセスを日本にもそっくり入れようとしたプロジェクトです。日本には日本流のものづくりへのこだわりがあります。お客様と話しながら要件をまとめていくのですが、どうも現場と噛み合っていない。そういう難しさもあれば、関わるコンサルタントの国籍が12カ国にもおよび、メンバー間のアウトプットに対する考え方がかなり違いました。日本人が求める品質レベルが一番高かったですね。
1年半ほどのプロジェクトでしたが、メンバーがお互いに理解し合うだけでも大変でした。
構成=Top Communication 撮影=向井 渉