そばにいてあげられず、罪悪感を感じたことも

1日の大まかなスケジュールをいうと、朝が私とボーイズの時間です。毎朝6時に起きて、朝食とお弁当をつくり、学校まで送る。そのとき子どもたちといろいろな話をします。夜は主人のほうが早く帰って、食事とお風呂と宿題の面倒を見てもらっています。私も夜7時から8時の間に帰宅するようにしているので、彼らが寝る前に本を読んであげることくらいはできる。でも一緒に夕食を食べる時間には間に合わないのが残念です。

悩ましいのは子どもたちが病気やケガをしたとき。やっぱり母親としては、病気のときこそそばにいたい。それができないことに罪悪感を感じたこともあります。でもいまは何かあった場合、私ではなく主人に連絡がいくようにしました。それを手放すことは、私にはすごく難しかったですね。

子どもたちもだんだん大きくなり、父親もしっかりついていてくれるので、私が海外出張に行くこともできるようになりました。でも電話やスカイプは一切しません。電話で話すとかえってママがいないことを強く実感するようで、泣き出してしまうから。私も出張の前、子どもたちと別れがたくて空港に着くまで泣いていたこともあります。

ごめんなさい! 妊娠してしまいました!

次男を妊娠したとき、私はすでにH&Mジャパンの社長になっていました。

社長が産休を取るなんて、日本ではあり得ない。それで本国の社長に、「本当にごめんなさい! 妊娠してしまいました」とまるでティーンエージャーのように謝りながら報告したのです。

ところが彼の反応は、「それはおめでとう! じゃあ、1年か1年半くらい育休を取りますか?」というもの。これには私もびっくりしました。でも彼は、私が不在のあいだ、ほかのマネジャーに代わりを務めてもらうことで、その人の能力をテストできるチャンスだと考えていたのです。

結局、半年間お休みをいただきましたが、快く休ませてもらえたのは、もうひとつ理由があります。それはH&Mには「チームで働く」というフィロソフィーがあること。マネジャーはチームを育てるため、どんどん仕事を任せる。だから長期休暇も取りやすい。

スウェーデンでは夏季休暇は6週間が当たり前ですが、H&Mジャパンでも、2週間連続のバケーションを取ってもらいます。2週間あれば完全に仕事を忘れ、いろんな刺激を受けてリフレッシュできるから。今年はある部署で、3週間連続の休暇を強制しました。

「こんなに休んでもいいなんて、会社に必要とされていないんじゃないか」と思うかもしれない。でも自分が休むことが、下の人を育てることになるんです。だからH&Mジャパンでは、バケーションをちゃんと取る人や、残業をしないで定時に帰る人が高く評価される仕組みになっています。