ベテランだからこそ、自らのスキルを可視化しておくべき

所属している組織から、自分が何を要求されているのかをキチンと理解できていないというビジネスパーソンは、意外と多いものです。求めるものをうまく定義できていない企業にも問題がありますが、それと同じくらい、働く人たち自身が、自らのスキルを可視化できていないケースが多いのです。もちろん、資格や語学力テストのスコアなどは分かりやすいので、ちゃんと整理できている、という人もいるでしょう。

けれども、「私はこういう経験を積んだから、こんなスキルを身につけている」とか、「私はこういう仕事をしてきたから、こんな能力があり、こんなことを求められてもできる」と、自信を持って言える人は少ないはずです。特に、1つの企業に長く所属し、同じ仕事をずっと続けていると、経験から得られたスキルを意識しにくくなります。その状態で、働く場所や働き方の変化に直面した場合、対応に苦慮するであろうことは想像に難くありません。

上記のようなスキルの可視化、棚卸しが十分に行えれば、イマドキの優秀な若手にも対応できます。 そうすれば言い方は悪いですが、上司や先輩としての体面を保つことができるでしょう。しかし、時代に取り残された状況で、単に古い経験をひけらかしているだけでは、彼らに追い抜かれる前に“見限られる”可能性が高まります。

イマドキの若手の良さを引き出す立場にある、という自覚

プレジデントウーマンオンラインの読者の皆さんの中には、イマドキの若手をマネジメントする立場になっているという人も多いででしょう。当たり前のことですが、企業からは彼らの能力を十二分に生かしポテンシャルを引き出しながら、確実に成長をさせることを求められているはずです。そのためには、まずは経験から得られるものを、自分自身で理解しておく必要があるのです。そうしないと、若手を成長させる経験とは何かが分からなくなってしまいます。

また若手に今までと同じことをさせておけばいい、という考え方がもはや通用しないことは言うまでもありません。読者の皆さんが経験によって得たスキルを、現在のビジネス社会に対応できる最新版にアップデートできれば、“イマドキの若いやつ”のお手本になるはずです。そう、上司や先輩としての役割を果たすためには、“尊敬できる存在であること”は大事なことなのです。

サカタカツミ/クリエイティブディレクター
就職や転職、若手社会人のキャリア開発などの各種サービスやウェブサイトのプロデュース、ディレクションを、数多く&幅広く手がけている。直近は、企業の人事が持つ様々なデータと個人のスキルデータを掛け合わせることにより、その組織が持つ特性や、求める人物像を可視化、最適な配置や育成が可能になるサービスを作っている。リクルートワークス研究所『「2025年の働く」予測』プロジェクトメンバー。著書に『就職のオキテ』『会社のオキテ』(以上、翔泳社)。「人が辞めない」という視点における寄稿記事や登壇も多数。