自身の経験から学んだこと
女性の技術職が増えつつある設計部門にあって、小島さんは最古参の一人。後輩の女性社員から将来について相談を受ける機会も増えたという。
「忙しくて、なかなか子どもをかまってやれないんです。でもいまの仕事はやりがいがあるし……」
そんなとき、仕事と家庭の両立に悩む後輩に対して、彼女はかつて自分が支えられた言葉を同じように伝えていることに気づく。
「大丈夫。育児は密度だからね」「時間が解決してくれることもたくさんある。いまできることを精いっぱいやって」――。
長いキャリアの中には、どうしても仕事に重点を置けない時期もあれば、後輩に追い抜かれてもじっと我慢しているしかないときもある。でも――と彼女は言うのである。
「あるときは時が経つのを、ただただ身を潜めて待てばいい。そうやって大変な時期を越えてから仕事に欲を出したり、資格に挑戦したりすればいいんです。何より大切なのは、その気持ちをぶれずに持ち続けること。私は自分自身の経験から、そのことを学んだように思います」
■小島さんの24時間に密着!
5:00~6:30 起床/子どものお弁当作り/朝食
6:30~8:30 自宅出発
8:30~9:00 出社・体操
9:00~11:00 設計・積算業務
11:00~12:00 打ち合わせ
12:00~13:00 昼食
13:00~16:00 他企業との打ち合わせ
16:00~19:00 帰社/設計・積算業務
19:00~21:00 退社
21:00~23:00 帰宅/夕食/翌日の夕食準備/その他家事
23:00~24:00 入浴
24:00~5:00 就寝
東京ガス 北部導管ネットワークセンター 設計道調課 係長。短大卒業後、1988年に東京ガス入社。リビング分野の販売企画などを担当した後、千葉導管ネットワークセンターで総務、渉外、設計事務、設計、道調業務に携わる。2015年より現職。
撮影=山田 薫