「女性の中には管理職になることに抵抗を感じる人も多い」と話すのは、佐川急便 代表取締役社長の荒木秀夫氏。この状況を打破し、女性側の意識を変えるために取り組んでいることとは?

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「男女を問わず、こまめに話しかけるようにしています」という久喜営業所の大澤所長。部下の悩みや不安に早く気づくことが、社員の定着率向上につながっている。

完璧主義を捨て管理職の道へ

今、現場の女性社員のトップは、全国に425(2015年4月21日現在)の営業所がある中で、営業所長に就いている2人だ。「業績もいいですし、男性とは違うきめ細かなコミュニケーションを大事にする管理手法なので、部下はとても相談しやすいようです」と、荒木社長も彼女たちを高く評価している。

ただし、女性の中には管理職になることに抵抗を感じる人も多い。この状況を打破するためには、女性側の意識改革も必要だと荒木社長は話す。

【写真上】代表取締役社長 荒木秀夫氏【写真下】人事部 女性ワクワク推進課 課長 三宮加代氏

「女性はどちらかというと完璧主義で、昇進を打診しても、『いえ、私はまだそのレベルに達していません』と遠慮します。でも、会社側はその人に十分実力があるから上げようと考えている。『明日から頑張ります』という積極性を見せてほしいですね」

女性リーダーを育成するために、同社では2014年からメンター制度も導入している。2015年は、全国1万1000人弱いる女性従業員の中から次のリーダーとして期待される65人を選抜し、6人ずつのグループに分けて、役員や支店長がメンターとなって指導している。

「男性でも女性でも、結局は人としての魅力がなければ、ほかの人はついてきません。メンター制度では、そこを伝えたいんです」と三宮氏。

メンターを補助する役割として、女性たちとの個人面談などを担当するサブメンターも付けた。その一人が、同社で女性初の営業所長に就いた大西由希子氏だ。