その2:実家を貸しに出す
■多様化する貸し方
貸すためにはなんらかの手を入れなくてはいけないことが多いが、そのためには
・どのような貸し方をするか
・誰がどの程度の額を投入するか
・その結果、収支がどうなるか
という点が問題になる。まず、貸し方としては一般的な賃貸住宅、広さや立地によってはシェアハウス、オフィス、店舗、ゲストハウスなどもあり、今後適法になる可能性がある「Airbnb」も考えられるだろう。
ただ、貸し方は多様化しているものの、それぞれに事業者が異なっており、1カ所に相談すると複数の貸し方を提案してくれるような人、会社はほとんどない。自分でやれるなら問題ないが、貸して活用してもらいたいなら実家周囲でどのような貸し方がされているかを調べ、そうした事業者に活用してもらえないかというアプローチをするのが手だろう。実際に行われている様々な貸し方については拙著『予算100万円でもできる 不動産投資成功しました』(中川寛子著/翔泳社刊)でまとめているので参考にしていただきたい。不動産の活用方法が紹介されている。
■借り手にDIYしてもらうなら、自己資金がなくてもOK
貸すつもりで不動産会社に相談、改装を提案されたものの、想像以上に費用がかかることが分かり、貸すのを諦める例も少なくないが、その場合にも手がないわけではない。1つは入居者に自分でDIYしてもらうことを条件に、躯体(くたい)、水回りなど住むために必要な最低限の改装を行い、後は入居者にお任せするというやり方である。住まなくなった期間が短い家であれば、さほどに躯体に手に入れる必要はないだろうから、この手なら比較的少額の投資で貸せる。改装可能な賃貸物件だけを紹介するサイト「DIYP」のようなサービスも誕生し需要もあるので、実家の活用法の1つに加えるのもいいだろう。ただし、その分、賃料は高くはできないし、もし、入居者が自分でやるというのなら、水回りなどの改装費用を負担することも検討したい。
■事業者に貸す
親の家が東京23区内にあり築30年以上だったら、事業者に改装してもらい、一定期間その事業者に安く貸すことで、その期間に事業者が転貸、改装費を回収するという仕組みを利用する手がある。一定期間終了後は改装済みの、価値が上がった住宅が戻ってくるので、それ以降の家賃収入は所有者のものになる。
このやり方であれば所有者が改修に自分で費用を出さずに済み、最初に貸す時のリスクも不要。空き家を活用するには非常に画期的な仕組みだが、残念ながらある程度の家賃が取れる目算が立たなければ難しい。事業者に話を聞くと、ここ1年ほどで100件近い問い合わせがあったものの、実際に活用に至ったのは10件程度という。だが、今後似たようなビジネスモデルを手掛ける会社が出てくる可能性もあるので、問合せてみて損はない。